エピソード9
「…ふぅ、できた~」
「あっ」
…やっぱり時間はかかっちゃうなぁ
「キーボードを見ずに打てる人がいるなんて、信じられない」
「ん~~~~~っぅ!」
「でもそれ使えるだけでも凄いと思うわよぉ」
「わっ!?」
「…吃驚したぁ…お早う御座います^^」
「驚かせちゃったみたいねぇ笑 おはようございます^^」
「それにしても随分早くきてたのね」
「早くお仕事覚えて、慣れないとって思って」
「真面目ね~、藤森さん」
「ウチはちっちゃな会社だし、社長も貪欲な人じゃないから
そんなに頑張らなくても大丈夫よ!」
「でも雇って頂けただけでも私、とても感謝しているので」
「少しでもおチカラになれればなと思ってるんです」
「それ使えるコが寿退社しちゃったから、
うちとしてはそれだけでも大助かりなのよぉ!」
「ほら、私も社長も古い人間でしょ?」
「『ハイテク』には弱いのよぉ 笑」
「前の方は家庭に入られたんですね」
「寿退社って言っても『できちゃった婚』ってやつで
何しろ急だったから、バタバタしちゃってたのよ!」
「そうだったんですね」
「募集もね、私も社長も
「ウチみたいな安月給で来てくれるかねぇ」なんて」
「あんまり期待しないで出したから」
「社長がした面接もあれ、一応形だけって感じだったし」
「よっぽど酷いひとじゃない限りウチとしては雇うつもりだったのよぉ」
「それが『藤森さんみたいないいひと』が来てくれたから!」
「二人して宝くじが当たったみたいに喜んだのよ 笑」
「「やったー!!」って笑」
「ふふっ 笑 」
「そう言ってくださると私も嬉しいです^^」
「だからそんなに根詰めなくても大丈夫よ!」
「ありがとうございます^^ 根詰め過ぎない程度に頑張ります!」
「やっぱり真面目ね~、藤森さん^^」
「そうですかね 恥」
「お茶でも飲む?」
「今淹れてくるわね」
「あ、ありがとうございます!」
「いいのいいの、気にしないで!」
「私も飲みたかったから」
「そういえば文江さん」
「ん?なになに?」
「今日はいつもより荷物が少ないんですね」
「・・・」
「あーーーーーー!!」
「!?」
「吃驚したぁ…」
バタバタバタバタ…!
「どうしましょ!電車に忘れてきちゃったわー!!!焦」
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