エピソード19



「フント、昼どうする?」

「うーん、今月ピンチだからなぁ…」


「お前いっつもピンチじゃね?笑」

「お金使って、経済を活性化させてんの」

「なんじゃそりゃ 笑」


「『フントノミクス』…知らない?」

「ねーよ、んなもん 笑」


「だは 笑」



「んじゃぁまた学食行くか」

「いや…学食も…無理、かな 」

「お前貢献し過ぎだろー 笑」


「コンビニでパン買って…それで午後は乗り切る!」

「パンだけて 笑」


「あとは…水道水!! 」


「お前、サークルあんだろ」

「水でしのぐ!! 笑」


「…学食行くぞ」

「は?」


「俺のこの綿密なプラン、いま聞いたでしょ」


「学食くらい奢ってやんよ」

「え?」


「今月ピンチなんだろ?今月は俺のお・ご・り」

「雅彦君、超太っ腹なんですけど~!!」


「その代わり、はい」


「ん?なにそれ」



「おて」



「何の代償も無しに昼飯にありつける程、世の中甘くないの」

「貸し借りなしで奢るんだから、こんくらいはできるでしょうよ~」




「・・・」



「おて」


ちょん


くすっ


「おかわり」

和美ぃ~ちょっとこっち来てみな

なになに~?

おもろい事やってるよ

ちょん



「…んー、なんでしょう」

いつものコンビじゃん


「このちょっとした羞恥プレイは…笑」



「おすわり!」

くすっ あはは

すと

あいつらまたなんかやってんぞ

本当だ

「ふせ!」

がばっ!


爆笑 失笑

開き直った 笑


「おまわり!」

くるんっ!


回転早つ!笑

お腹いたい笑 爆笑


「よこやまぁ~フントくん!」


「わんっ!!」


爆笑

大爆笑 爆笑


「よ~しよしよしよし」

「キューン キューン」


拍手


はぁーおもろかった笑



「よしフント、学食行くぞ!」

「わん わんっ!」






がつ がつっ!


「しっかしお前、ホント美味そうに食べるよなぁ」

「んふ ^^」



もぐ もぐ



「飯食って旨いって思わないやつなんていないだろ」

「わっかんねぇぞぉ」


「いねぇだろぉ」

「んなやついたら人生の半分は損してるよ」



がつ がつっ!




「おて」


「もうやんないって 笑」



がつ がつっ!


「んでさ、食ってるところで悪いんだけどさ…」


「ん?」



もぐ もぐ


「『秋葉栞がレイプされた』って噂、信じる?」


「んふ゛っ!?」

「…ごほっ ごほっ」



ごく ごくっ



「…んはぁ」


「なにそれ!?今初めて聞いた!?」



「なんだよフント、知らなかったのか」

「高嶺の花ばっか眺めてるお前だからもう知ってるかと思った」



「んー…」



「でもフツーに学校きてるやん」

「なんか、何日か来てなかった時があるんだってよ」




「…あぁ」



「…確かにいなかった時あったねぇ」


「さすがストーカー 笑」

「ちげぇよ! (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」



「んでその休んでた日ってのが、

ニュースになってるやつと重なるんだって…って」


「…フントはニュース、見ねえよなぁ」

「俺だって見るよ、ニュースくらい」


「何森遥架のやつとか、リーガ速報とか…」


「…あ!」


「あと『ローストビーフ丼食べてみた』ってやつとか」


「・・・」



「…なんだよ、その目は…」


「ううん、なんでもない」


「…って


なんでもなさそな顔で言うなやぁ! (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」



「笑」



「あれじゃね?『ねたみ』ってやつ?」

「片瀬とランチデートしたって話もあるし…片瀬ファン多いやん」


「それにさぁ…」




「・・・」




「ん?どした?」



「…ウワサをすれば」



「あ?」




「…ホントだ」





「案外あの2人かもね、ウワサ広めてんの」



「あぁ、そういう線もあるか…」

「アイツら、よく本人のいないとこで悪口言ってっからなぁ」


「それにさぁ、そんなん広まってたら来れないでしょ、フツー」



「それなんだよ」



「んでお前の目から見てどう見える?今の秋葉栞」



じーーーっ




「うーん…」




「ちょっとメイク変えたのかなぁ…」




「より『キレ可愛い』の安定感が増したかも^^」


「ストーカーのお前がそう言うんだから、ホントにウワサだけなのかもな」

「だからちげぇって!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」


「でもそんなウワサ広めるなんて…女ってこえぇな」











「でも心配してたんだよぉ~、真由美と二人して」

「ねっ、真由美」

「うんうん」

「既読もつかなかったからさぁ、事故とかにあってたらどうしようって」

「心配してくれてありがとね」





「…んで」


「ん?」



「なんかあったの?」「うんうん」




「ハワイ行ってたの」


「は?」「へ?」



「ハワイ…」

「うん」


「いとこのおにーちゃんの結婚式があったから、それで行ってたの」


「あ!お土産とか買ってきたほうが良かったかなぁ…忘れてた 笑」

「ごめんね^^」


「いや、それは別にいいんだけど…」


「向こうにもウチあんの、言ってなかったっけ」


「私ってその場のふいんきを楽しみたいひとだからさぁ、写メって好きじゃなくって」

「だから式の写真は全然撮んなかったんだけど、向こうのウチの写真は…」



「…あった、あった」


「すごっ!」「ひろっ!」


「んでね」


「そこにね、おにーちゃんたちが住むことになってたから、私物撤去してたの 笑」



「そうだったんだぁ」

「安心したね、早織!」


「…うん」


「そしたらさぁ、前言ってたお気にのワンピ、あっちにあったの 笑」

「あれ見つかったんだぁ!」


「いっくら探しても見つかんなかったけど 、

ハワイじゃ見つかんないの当たり前だよね 笑」


「あのワンピ超可愛いかったもんね~」


「…う、うん」



「早織、具合でも悪いの?」


「ううん、そんなことないよ!」


「じゃ私レポートまだ終わってないから、スタバ行って仕上げてくるよ!」


「はーい」「いてらー」




「・・・」


「…ふぅ~~」

「生きた心地しなかったぁ~…」


「ん?」


「あの噂、でどこは知らないけど、あたしもそれ聞いて

いろんな人に言っちゃったから」

「…なに言われるかドキドキもんだったよぉ」


「そういうことか 笑」


「でも問いただす事も気にしてる様子もなかったから、

ホントに単なる噂みたいね」


「だねぇ」




「…でもいいなぁ」


「なにが」


「ハワイ」


「なにあのウチの広さは!」


「栞が『お嬢さま』ってのは知ってたけど、あそこまでとは…」


「本場のロコモコ食べたーぃ…」


「てかもっと早く教えてくれてれば、遊びに行けてたかもしんなかったのにぃ」



「…わざと隠してたな、きっと」


「…ブルーハワイってあれ、何味なんだろうね」


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