エピソード64



そしておみせにかえりついたパンやさんは
あることをおもいつきます
たんじょうびようのケーキをつくって
そのうえにロウソクをたてて
それをふきけせば、みんなもじぶんのように
しあわせなきもちになるんじゃないかと


そうです、パンやさんもまたプーアから
しらずしらずにまほうをおそわっていたのです


まほうつかいのおじいさんのまほうは
「しんじるきもち」や
「やさしいきもち」をもつひとに
どんどんひろがっていくまほう


まほうをおしえるのはこのまちでは
プーアひとりでじゅうぶんだったのです



パンやさんはどうぶつたちからもらった
きのみやくだものをつかって
たんじょうびようのケーキをつくりました


そしてしんじてふきけすと
しあわせなきもちになれる
ロウソクもよういしました


そのケーキはなかなかうれませんでした
めずらしくリッチーもおみせにやってきましたが
じぶんのたんじょうびはもうおわっていたので
すぐにおみせからでていきました



あきらめかけていたとあるひ
おもちゃやさんがおみせにやってきました
おもちゃにすっかりあきたじぶんのこどもに
しあわせなきもちをプレゼントしたいと
ケーキをかいにきてくれたのです


パンやさんはケーキとロウソクといっしょに
プーアがたんじょうびかいでいっていたことを
おもちゃやさんにつたえました


そしておもちゃやさんのこどもの
たんじょうびのよくじつ、パンやさんのもとへ
あわてたようすでおもちゃやさんがやってきました


みらいのじぶんにプレゼントをおくれることを
こどもはとてもよろこび
いっしょにいわったかぞくもみんなえがおになり
しあわせなきもちでいえがいっぱいになったと
こうふんしたようにパンやさんにいいました


そしてしあわせなきもちを
とどけてくれてありがとうと
パンやさんにかんしゃのきもちをつたえました



おもちゃやさんのたんじょうびかいでのできごとは
まちじゅうのわだいになり
ケーキのちゅうもんがさっとうします


そのまほうは
しんじるきもちがないとつかえないので
なにもおこらなかったと
おこるおきゃくさんもたくさんいました


けれどおもちゃやさんのように
まほうがつかえるようになったひとも
もちろんいました


まほうをつかえるようになったひとたちは
とおりをあるくプーアに
「おはよう」「こんにちは」と
こえをかけるようになりました


そしてそんなまちのひとたちのようすを
プーアはとてもうれしそうにみていました



なぜならプーアはたんじょうびかいで
みらいのじぶんに
まちのひととあいさつができるようになる
プレゼントをおくっていたからです


プーアはもうとおりにきても
さびしいきもちにはなりません
すこしずつしあわせのまほうがひろがってゆく
ようすをみるのがたのしみでなりませんでした



いまもどこかでだれかがしあわせなきもちに
なってるとおもうとついえがおになるプーアでした



おしまいおしまい




え・おはなし かうもと さくら




「ふうぅぅぅ」

取りあえずは書けた~




「さくちゃーん!」

「はーい!」



「たくさん頭使ってるから
甘いもの食べたくなるでしょー」


「麻衣さんから頂いた、
『マスカット大福』あるからー」


「食べたくなったら降りといでー」


「ちょうどグッドタイミングー」


「よかった!」


「なるべく早く降りてきてねー」


「お母さん、我慢できなそうだからー」


「ふふ 笑」



麻衣さんは『ふーちゃん』って呼んでるのかなぁ 笑



カチッ


「よいしょ!」




                        カチャ




                       パタンッ




とん とん とん



theSUNreason.

文字を楽しむ 『文楽(ぶんがく)』 日常をそのまま切り取る 『フォトグラファー』 日向理のホームページへようこそ。