Episode.16



「♪~」




                           そーーっと

 

 そーーっと


「どっち飲む?」


              「!」

           「…バレてたか 笑」


「同じ手には引っかかんないって 笑」


「ちぇ~っ」



「んー…こっちにする^^」


シュコッ


シュコッ


ごくごくっ

「聞いたよ♪」


「ん゛?」


「バスケ」

「なんだ、もう知ってたのか」


「今日、それで驚かせようと思ってたのに」


「女の子のネットワーク、なめてたな? 笑」

「ふふ 笑」



「で?」


「ん?」


「なんかきっかけとかあったの?」

「「ボールも触れない」って言ってたから」



「んー…」



「なんかさぁ、ダッサイ服着てる人がいたとしてさ」

「うん」


「その人見かけたら『ダッセぇ~』って思うじゃん」

「まあ、ね」


「でもその人って、『イケてる』って自分で思ってるから着てんでしょ?」

「そりゃ自分でダサいって思う服は、着ないでしょ 笑」



「それと同じでさ」

「うん」


「怖い怖いって自分で思ってたんだけど」


「そういう自分を客観的に見たら…なんか『ダッセぇ~』って 笑」

「そう感じたんだよねぇ」


「ふーん」


「実際にボール触ったらさ、

…ってかまだ入部届、出しただけなんだけど 笑」


「「なんだフツーのボールじゃん」って」


「「俺なんでこんなんに怯えてたんだろ」って、バカみたいに思えて」

「自分でもちょっと笑えてきた 笑」



「そっか」



「よかったじゃん♪」


「うん」

ごくごくっ


「ってか」

「入部届しか出してないのに、なんで知ってたの?」


「入部届出した時、まわりにひといたでしょ」

「そりゃ職員室だもん、人はいるよ」


「そん中に生徒も何人かいたでしょ」

「例えばぁ…1年生の女子とか」


「んー…」



「よく覚えてない 笑」

「でも誰かしらいたんじゃない?」


「森田先輩、バスケ部入ったんだって!!」って」

「1年女子の間でウワサになってたよ♪」


「うっそ!?マヂで!?」

「うん、まじで 笑」


「マヂかぁ…」


「これからも~っと『ファン』、増えるね^^」


「『イケメン』が『バスケ』だもん♪」

「なるなってほうが無理なんじゃない? 笑」



「マヂかぁ~・・」


「ご愁傷さま♪」


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