Episode.22



キキィー

「とうちゃ~く!」


カチャ


                    さすが杉っちょ



女子に見つかる前に


             逃がしてくれた 笑




「よいしょっと」



「お、サンキュ」


シュコッ


ごくごくっ

「っぷはあぁ」

「やっぱ試合んあとのコーラ最高!^^」



「どの辺で見てた?」


「・・・」


「俺結構かつやくしたでしょ!」



「・・・」



「…ん?」


「どした?なんかあった?」



「…あのさ」


「ん?」




「なんでこっちきてんの?」


「へ?」


「翔ってホンット分かりやすいよね」



「あの自転車の持ち主と、待ち合わせてんじゃないの?」

「!?」



「…なんでわたしに試合観て欲しかったの?」


「…沙織が「俺のジャンプシュート見たい」って言ってたから」

  

「それ、練習見れば済むはなしじゃない」


「・・・」



「試合でカッコいいとこ見せたかったとか」

「!」


「それで自分の気持ち伝えようとか」


「!?」


「…ふっ 笑」



「わたし、ウソつかれんのキライなんだよね」


「別にウソなんか

「『バスケできなかった理由』とか」


「!?」



「…やっぱそっか」



「あとわたし言ったよね?

「カーストの上に目ぇつけられんのめんどー」って」


「・・・」


「翔は、3年経ったわたしの姿を見て、『ドキッ』てなっただけ」


「それに、翔の活躍する姿見て、わたしが『カッコよかった♡』ってなったら」

「それこそ翔の苦手な、ファンみたいになっちゃうじゃん、わたし」


「・・・」




「…ふぅ」



「ノンはね、部活が一緒の…わたしの親友なの」

「!?」


「あの自転車、ノンのだってすぐ分かったし」

「ノンがステップつけた理由も、今わかった」



「一緒に帰ってたんでしょ?」



「…それはファンからかくまってもらって」


「それって、ノンを信頼してるってことだよね」


「…分かんね」


「ノン、今日試合観に来なかったでしょ」



「…それは、スポーツに興味ないって」


「それは『カッコいい翔くん』にも興味ないってことでしょ?」

「!?」


「それって、目が♡の女子みたいに、外見だけに興味があるんじゃなくって」


「翔自身に興味があるってことじゃない?」



「そういう風に接してくれるひと、今までいなかったんじゃない?」



「・・・」



「翔、ホントの事ノンには打ち明けられたんじゃない?」


「またバスケやれるようになれたのも、ノンのおかげなんじゃない?」



「・・・」


「ぬあぁあ、わっかんねぇぇ!」


「だったら行けばいいじゃん、確かめに」


「!?」


「ノンも確かめたいんじゃない?自分の気持ちを」



「・・・」



「ほら、さっさといったいった!」

          「え!?」



         「その答えは、ここで悩んでても分かんないって」

「…でも」



「なに翔、ビビってんの? 笑」

            「ビ、ビビってないって!(;・∀・)」



              「後悔しないようになんてできないんだから」


              「やれることはやれるだけやる!」




「…そだな」



「ありがと、沙織」


カチャ

「俺、やれることやってくるわ!」



             「いてらー♪」



「ありがと!」














「はぁ はぁ」











「はぁ はぁ」




「ドロボー追いかけるけいさつ並みに来るんだもん」

「それだけ女の子のハートを奪ってるんだね」

「通報しようかしら…」




「はぁ はぁ」



「はい、帽子」

「お!助かるぅ」

「「お!助かるぅ」って

持ってきてって言ったのそっちだし」


「…あと」

「ん?」

「自転車にステップもつけたから」

「お!さすがぁ^^」




「はぁ はぁ」







「!?」


キキィーッ!  

             にゃ~ぉ



「あっぶね…」



「またお前か…」


 にゃ~ぉ



「・・・」



「ふっ!」










「はぁ はぁ」





「…バスケ、やりたくないの?」


「やりたいよ」


「じゃやろうよ」




「はぁ はぁ」





「情けないって自分で感じたんなら」

「またボール、触れると思うよ」




キィーッ



「はぁ はぁ」




「日曜、試合が終わったら、ここで話したい事があるんだ」

「話したいというか、確認したいというか

…伝えたいというか」


「はぁ はぁ」



「日曜、試合が終わったここで、話がしたいの」






「はぁ はぁ はぁ…」






「はぁ はぁ はぁ…」










「…のぼり坂きちいぃ!!」



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