Episode.22



「やっぱり陽介さんって凄い人なんですね^^」

「いやいや、『凄い』とかってのはあくまで


…って


前にも言いましたね 笑」


「なんだか魔法使いみたい♪」

「魔法使い?」


「ただ何かを言うんじゃなくって、

それを私たちに実際に体感させてくれるんですもん」


「合奏終わった後もみんな、「楽しい楽しい!」って…」

「それこそ子供みたいにはしゃいでましたよ♪」


「でも僕は単に、気付いてないものに気付かせただけで」

「特別なことは何もしてないんですけどね^^」


「でもそれが、私たちにとっては『目から鱗』な事ばかりで」


「私たちが気付かなかったことに気付いてるって事が、

単純に「凄いなあ~」って思います^^」



「僕はただその場で思いついた事を言ってるのに夢中で、

終わってドドーッと疲れが出ちゃうんだけど 笑」

「え?(;・∀・)」



「あれって、事前に考えたりとか・・してなかったんですか?」

「全然なんの準備もしてないっす 笑」


「準備をしちゃうと逆に、自分で自分の思考を柵で囲んじゃうっていうか」

「自由な発想が出来なくなっちゃうんですよねぇ」



「・・・」



「ん?」



「やっぱり魔法使いだ…」


「はは 笑」

「だからそんなんじゃないですって」



「…ふぅ」


「ちょっと休憩」


「相当パワー使ってるんですね、魔法をかけるのに」


「だから違うよ 笑」

「ふふ♪」



「ああ腹減ったぁ~」


「・・・」



「じゃあ一緒にご飯食べません?」


「え?」


「近くにちょー美味しいとんかつ屋さんがあるんです^^」



「…とんかつ」


「もちろん私の奢りで♪」

「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

「マヂです♪」



       「行きましょう!!」


「ふふ、元気になった 笑」


「あ!陽介さん!」



「ん?」


「そっちじゃないです 笑」














ガラガラガラァ…

「2名さまお待たせしました~」



「あ、はい!」



「いらっしゃいませ~」


                     「奥の席、どうぞ~」



「ありがとうございます^^」




ギィー


ギギィー



       「お茶は温かいのと冷たいのと

         どちらになさいますか?」


「あったかいので」

「じゃあ私も^^」


       「こちらメニューになりますので

     お決まりになりましたらお声がけください」


「あ、はい」



「うわ、すごっ!」

「ん?」


「もうあんなに並んでる…」



「ここ取材NGなお店なんですけど、

口コミだけでいっつもお客さんいっぱいなんですよ♪」

「へぇ~」



        「はい、お茶とおしぼりです^^」


「ありがとうございます^^」




「最初、坂口さんに連れられてここきたんですけど、

その一度で直ぐハマっちゃいました 笑」

「へぇ~」


「光一さんって結構グルメなんですね」

「合奏前に教えてもらったコーヒー屋さんもそうだし」

「あ、『ケッツァール』も行ったんですか!」


「あそこの珈琲も美味しいですよねぇ♪」


「いや、僕はまだ舌がお子ちゃまなので 笑」


「ジンジャーエールを飲んだんですが、

希ちゃんが初コーヒーデビューで『エルサルバドール』ってのを頼んで」

「あ!」
「だからさっき「エルサルバドール!」って言ってたのかぁ!笑」



「そしたら希ちゃん、すっかりハマっちゃって」

「お店の人ともすっかり仲良くなってた 笑」

「お待たせしました~」


「…って超美味そう~」



「ここ、どれも美味しいんですけど」

「この「ミックス定食」がイチオシです^^」


「ロースとヒレとメンチが一緒になってて」

「特にメンチがもう…ちょーー美味しいんです♪」

「もうそれで決まり!」


「ふふ 笑」


「すみませ~ん!」



         「はーい」




          「お待たせしました、お伺いします^^」


「ミックス定食2つで^^」



          「ミックスをお2つ、ですねぇ^^」

           「ご注文は以上で」


「はい^^」

         「では少々お待ちください^^」



「8番さん、ミックス2つでーす」




「で」



「奢る代わりと言ってはなんなんですけどぉ」


「ん?」



「敬語なしで話しても大丈夫ですよ」

「私、陽介さんよりも歳下ですし^^」


「すぎしたさんって」

「二十歳前です^^」


「あと杉下さんってのもあまり呼ばれ慣れてないんで、

坂口さんみたいに下の名前で呼んでください♪」

「( `д´)b オッケー!」



「陽介さんって、

さのっちさんのサークルだけなんですよね」

「うん」


「じゃあ高校の時って楽器なんだったんですか?」


「ん?」


「何にもやってなかったよ」

「え!?」


「吹奏楽部じゃないんですか!?」

「うん」


「高校ん時はバスケやってた」



「じゃあ中学とかで…」

「中学は帰宅部」



「じゃあ吹奏楽の経験って…」

「ないよ」


「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

「うんマヂで」


「じゃああの合奏でボコボコ出てきたのって…」


「高校んときに興味があって、1回友達に頼んで、

合奏を見学させてもらったんだ」



「で?」



「「で?」って?」



「その後の展開とか…」


「ん?」


「それだけだよ?」

「えー!1回だけであんな魔法を!?」


「だから魔法じゃないって 笑」



        「お待たせしましたぁ、ミックス定食2つです~」

「うわっ!美味そう~!」



「…絶対魔法使いだ」


            「はい、ご飯とお味噌汁です^^」

「ん?」

「いえ、なんでも!」


          「ご飯とキャベツ、おかわり自由ですので^^」

「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」


              「ふふ、まじです^^」



「いっただきまーす!」

「いただきます♪」



ぱくっ

「うんまっ!!」


「でしょー^^」


がつがつっ


もぐもぐ


「んーしあわせー(*^ω^*)」


「うふ^^」


がつがつっ



「陽介さんって、ほんと美味しそうに食べるんですね♪」


もぐもぐ


「だってマヂ超美味しいんだもん~」


「あー、しあわせー(*^ω^*)」


「ふふ♪」



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