Episode.28



ギィー


ギギィー




      「お茶は温かいのと冷たいのとございますが^^」


「あったかいので」


「んー…じゃあ私も^^」


       「お決まりになりましたら

「『ミックス定食』2つで!」


       「はい^^」


       「じゃあお茶とおしぼりお持ちしますね^^」


「ありがとうございます」


「8番さん、ミックス2つでーす」





「こないだと一緒の席ですね 笑」

「だね^^」


「またここに理紗ちゃんと来るとは思わなかった」

「えー!」


「それは私が優勝するとは思ってなかったって事ですか?」

       


「あ」


         「はい、お茶とおしぼりです^^」


「ありがとうございます^^」


「いやいや!」

「そういうわけじゃないんだけど」


「ふふ 笑」

「こう見えても私、結構負けず嫌いなんですよ^^」


「はは 苦笑」



「陽介さんって本当色々なことを思いつくんですね」

「お使い頼まれた時も「間違い探し?」って…全然謎でしたもん」



「ああいうのっていつ思いつくんですか?」

「ん?」


「『間違い探し』はアレ注文してもらった打ち合わせん時」

「え!?」




「…じゃあ優勝したら『ミックス定食』っていうのは」


「さっきの合奏の時」

「えー!?」



「やっぱり事前に考えてとかじゃないんですね…」


「うん」



「…凄過ぎる」


「事前に考えると、既にある知識から構築しがちになるんだよね」

「でもそれが普通なんじゃないんですか?」


「そのためにみんな学んで知識を身につけるというか」


「でも既存の知識をベースにしちゃうと、

結局は『誰かの真似っこ』になるでしょ」



「うーん…」


「それが誰かの真似っこだったら、

『自分のアイデア』だって証明すら出来ないでしょ」



        「お待たせしましたぁ、ミックス定食2つです^^」

「待ってました!」


「うまそぉ~」


            「ご飯とお味噌汁です^^」


「ありがとうございます^^」



          「ご飯とキャベツ、おかわり自由ですで^^」



「いっただきまーーす!」



ぱくっ


「やっぱうまい!!」



もぐもぐ



「皆子も「あの人は天才だ」って言ってましたよ」


「ん゛?みなこちゃんって?」


「合奏でいつも、画伯の横で吹いてるクラリネットのコです」



「んー…!ああ!」


「あのコ『みなこちゃん』って言うんだね^^」



「天才の人って、思考のシステム自体が普通の人と違うから」

「普通の人が予想もつかないとこで物事を考えてるんだって」

「そう皆子が言ってました」


もぐもぐ


「初めは「ふーん」って聞き流してただけだったんですけど、

さっきの話聞いて、皆子の話がすんなり理解できたっていうか…」


「普通の人なら「こんなこと考えたんだぜ、すげーだろう」って

なると思うんです、きっと」



「でも陽介さん、ホントにその場でポッと思い浮かんじゃうんですよね」


「うん」



「考えるのってなんかメンドーなんだよね 笑」


「そこが本当、尊敬って感じしますし」



「…結構カルチャーショックです 笑」




「僕がカルチャーショックに感じたのは逆に、

結構自分のやりたい事が解らない人が多いって事」


「え!?そこ分かんなくってどうやって毎日過ごしてるの!?」

「ってそういう話聞くたびになる」


「自分のしたい事がきちんと見えてるんですね、陽介さんは」




「じゃあ…今は何がしたいんですか?」




「ん?今?」



「はい」




「今はご飯のおかわり 笑」

「すみませーん!」

「ふふ 笑」



         「はーい、お伺いします^^」



           「お待たせしました^^」

「ご飯のおかわりを」


             「ご飯の量は^^」

「いい感じで^^」


         「分かりました、『いい感じ』ですね^^」


           「少々お待ちください^^」



「でもね、変な人にも『一応』メリットはあるんだよ」


「え、メリットって?」


「普通の人が言わなそうなことを言うから

比較的覚えられやすい 笑」



「なるほどぉ、ここの店員さんも陽介さんまだ2回目なのに、

もう覚えてる感ありますからね 笑」




           「これ位で『いい感じ』ですか?^^」


「お!いい感じです^^」



がつがつっ


ŧ‹”(o’ч’o)ŧ‹”ŧ‹



「んーしあわせー(*^ω^*)」


がつがつっ


「陽介さんってやっぱり変な人なんですね 笑」



もぐもぐ


「がっかりした? 笑」


「いえ、私変な人、嫌いではないんで♪」


「「嫌いではない」、か 笑」

「ふふ ^^」



           「はい、こちらどうぞ^^」


「ん?なんすか、これ」


       「あまりにも美味しそうに食べてくださってるので」

           「…店長からのサービスです^^」

「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」


            「ふふ、まじです^^」


「ありがとうございます!」


              「いえいえ^^」




「なんだろ、これ」



ぱくっ



ŧ‹”(o’ч’o)ŧ‹”ŧ‹



「んふふぅうぅ~(*´◡`*) 」

「幸せの味がするぅ^^」


「なんでした?それ」


「んふふぅうぅ~(*´◡`*) 」


「まさかのクリームコロッケ♪」

「ええ!?まさかの裏メニュー!?」



「…本当色んな意味で凄過ぎる」



「んふふぅうぅ~(*´◡`*) 」



「理紗ちゃん…」



「はい!」



「僕のほっぺた、その辺に落ちてると思うから」

「あとで拾っといてぇ~^^」


「ぷっ 失笑」



「了解です♪」



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