Episode.1



「お願いしまー…


「いらっしゃいませ」


す」



「あ、えっと…」


「唐揚げ定食大盛りで」


「から揚げ定食大盛りですね」


「えっと…」

「550円になります」


「はい」


「から揚げ定食大盛りでーす」



「はーい!」


「あーら、ゆうたくん!」


「おばさん、いつもいるコは?」


「香澄ちゃんなら、

就職先見つかって辞めたわよぉ」



「そなんだ…」


「じゃちょっと、コンビニ行ってくる」


「はーい、作っとくね!」





「今の子はね、近くの大学に通ってる『てらだゆうた』くん」


「ここの常連さんだから覚えといてね」


「はい」


「『から揚げ』か『のり弁』しか買わないから 笑」


「常連さんでも覚えやすいほうよ^^」


「はい」



「もー、健治くん」

「はい?」


「あなたイケメンなんだから、

つまんなくても口角あげるあげる!」


「あ」


「はい^^」


「あら、やっぱりイケメンねぇ 笑」



「もうすぐメンチとフライ揚がるから、

ご飯よそっといてぇ~」


「あ、はい」



ジュワワァーー!


カリカリ…

「ほら、笑顔笑顔!」


「はい^^」








「ありがとうございました~^^」


「あれ?さっきの人は?」


「あ、おかえり~^^」


「ピーク過ぎたから、あがってもらっちゃった」



「はい、から揚げ大盛り」


「ありがと」


「昨日は夜更かしでもしたの?」

「ん?」


「この時間買いに来るなんて珍しいから」


「ああ」



「昨日は飲み会があったから」


「若いうちからそんな飲んでたら、

直ぐ内臓やられちゃうわよ」


「気をつけまーす」



「で、さっきの人…」


「おばさん、顔で選んだでしょ 笑」


「あらぁ、分かっちゃったぁ? 笑」


「だって顔がまんま『韓流』だもん 笑」


「ふふ 笑」



「そういえばゆうたくんも

4年生じゃなかったっけ?」


「就活のほうはどう?」


「俺?」


「俺はもう行くとこ決まってる」


「あら、うらやましい~」


「ウチの息子、まだ全然決まってなくって」

「今日も面接行ってるわよ!」


「そうなんだ」


「「駄目だったらウチ継げばいいじゃない」って

言ってるんだけどね」


「おばさんの味受け継ぐの、

結構難しいと思うよ」


「めちゃくちゃ美味いもん、ここ」

「あらぁ、嬉しい事言ってくれるわねぇ♪」


「あ!」

「お弁当買いに来てくれたのに、

長く引き留めちゃったわね!」


「大丈夫、ありがと!」

「じゃまたぁ~」


「はい~、ありがとうね^^」




さてと…今日はそろそろ




「す、すいません!」


はぁはぁ…

「はーい!」

「…まだ、大丈夫ですか?」


はぁはぁ…

  「大丈夫ですよぉ~^^」


「何になさいますか?」


はぁはぁ…

「えっとぉ」


「少し休んでから、

お決めになっても大丈夫ですよ^^」


はぁはぁ…

「だいじょぶです、


ありがとうございます」


「のりハンバーグ弁当と

から揚げ弁当を」


「のりハンバーグとから揚げですね^^」

「1、100円になりま〜す^^」


「はい」


「はい400円のお返しですね」

「少々お待ちくださ~い^^」




ジュワワァーー!


カリカリ…


「…ふぅ」


づがれだぁ~(´Д`)



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