5−13
「やっぱり…」
「あのぉ、すみません」
「はい、何でしょう?」
「ここの病院って、いつ頃からあるんでしょうか」
「なになに!」
「あなた、刑事さんとか探偵さんとか何か?」
「いや
「でもそういう職業って大概男の人だものね 笑」
「え、ええ」
「この病院、最近建ったように見えるでしょ~」
「でもね、これってね…改装しただけなのよぉ 笑」
「院長が代替わりしちゃってね、息子が院長になった途端、
やれ改装だぁ経費削減だぁとか
…なんだか会社経営みたいになっちゃってねぇ」
「じゃあここの病院は、以前からあったんですね」
「もう4、50年は経ってるんじゃないかしら」
「ここだけの話ね、私がここで掃除のおばさんやっていられるのも
…私が前の院長の初恋の相手だったからなのよぉ!」
「そうなんですね^^」
「でもお話してる印象で素敵な方だなぁって感じていたので、
その話も納得できます^^」
「あらぁ~、そう?」
「今じゃこんなおばさんだけど、これでも昔は
…あなたには負けるけど 笑
結構わたし、モテてたのよぉ~!」
「私もお話しして、『米山さん』のこと、
好きになっちゃいました 笑」
「あら!やっぱりあなた刑事さんとかなにか?」
「よく私の名前分かったわねぇ~」
「胸元にそう書いてあったので^^」
「あ!そう言えば名札つけてたんだわ、私!」
「あらやだ、恥ずかしい 笑」
「名刺お渡ししておきますね、
私の方だけ名乗らないのも失礼ですし」
「はい、頂戴します^^」
「えっとぉ…片岡ぁ…」
「暢子です^^」
「これで『のぶこ』って読むのぉ!」
「『ようこ』さんって呼びそうになっちゃったわ!」
「よく間違えられます 笑」
「病院って守秘義務があるから、
患者さんの事ってやっぱりなかなか聞けないですよねぇ」
「そうねぇ」
「息子が院長になってから余計に厳しくなったからねぇ」
「さすがの私も口にチャック!なんだけどね 苦笑」
「…ちなみにそのぉ患者さんのお名前は?」
「今はもう入院も通院もしてないんですけど」
「『落合健治』っていう
「パク様!!」
「ぱ、ぱくさま?」
「韓流スターみたいなイケメンの人でしょ?
その『落合健治』さん」
「ああ!」
「それで『パク様』^^」
「はい、『その』落合健治さんです」
「今はパク様、元気でいらっしゃるの?」
「はい、今はピアノを弾いてて音楽活動を
「やっぱり!」
「『やっぱり』?」
「入院中もねパク様、『ピロピロピロ~ン♪』って
ピアノを素敵に弾くもんだから、み~んなパク様に
メロメロになっちゃってたのよぉ~」
「そうだったんですね 笑」
「ちなみに暢子さんは、パク様とはどういったお知り合い?」
「実は私、今、パク様と…お付き合いをしていて」
「あらま!そうだったのぉ~!」
「はは 恥」
「だからここにも来て…」
「ということは…ご結婚されるとか…」
「いえいえ!」
「まだそういった話ではないんですけど 恥」
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