エピソード28
この電車、間もなく花風台に到着致します。
お降りのお客様は傘などのお忘れ物をなさいませんようご注意ください。
間もなく花風台、花風台です。
シューーーッ
ガッ プシュー
花風台、花風台です。
足元にお気をつけてお降りください。
「あー、ムカつく」
なんでわたしが謝んなきゃいけないのよ!
悪いのは向こうなのにさ…
ピッ
ってかあの言い方ってないんじゃ
「あの、ちょっといいかな。」
「?」
「…わたし、ですか?」
「倉西悠斗くんの妹さん、だよね。」
「そうです‥けど…」
…事務所のひとかなぁ
「良かった。お父様にご連絡したんだけど連絡が取れなくって。」
「ああ、多分電源切っちゃってると思います」
「…兄さん、なんかやらかしました?」
「うーんと…。」
「まぁここで話すような内容でもないし。」
「雨も降ってるし、車でウチまで送るよ。」
「詳しいことは車内で話すからさ。」
ザ
「あ、はい…」
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|
「うわぁ、結構降ってる」
「車こっちに回すからちょっと待ってて。」
ザ
「あ、はい」
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傘持ってこなかったから助かったかも
ザ
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Burururururu …
「うわっ、高級車…」
ザ
スーーッ
「お待たせ、乗って乗って。」
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「あ、はい」
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カチャッ
「お邪魔しまーす」
ザ
パタン
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Burururururu …
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♪~
「それは彼のほうが悪い、かな。」
「ですよね!やっぱり」
「でも彼も同い年なんでしょ?」
「17、18でも男はまだまだ子供だからね。」
♪~♪
「でも普通に考えたら直ぐ分かると思いません?」
「まぁね。」
♪🎵~
「あ、今んとこ右だったのに…」
「私んち知ってますよね」
「知らないよ。」
「え!?…」
「『イケメン』ってのは、何故かそれだけで信用されるんだよね。」
ズズッ
!!
ずずずずっ
「大丈夫、君の事気に入ってるから。」
ズズズズッ
「・・・」
「悪いようにはしないよ。」
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