エピソード34



「ふぅ~今日はこの辺までかなぁ」



「藤森さん、お疲れさま!」

「あ、お疲れ様です!」


「藤森さんのおかげで色々助かってるわぁ」

「本当ですか?」

「本当よ!」

「社長も藤森さんが来てから、いつも上機嫌なのよ!」


「ふふ^^」



「あれ?社長さんは?」

「取引先の人と一緒にもう飲みに行っちゃったわよ! 笑」

「随分早いですね 笑」

「接待ですか?」

「私もね、「接待なら領収証貰ってくればいいのに」って言ってるんだけどね」

「「仕事だと本音で語り合えないだろー!」って 笑」

「「本音で語り合えんとことなんぞ仕事はせーん!」っていうひとだから 笑」

「笑」


「社長さんらしいですね」


「「最近は本気で仕事をする人間も減ってきた」って嘆いてたりもして」

「「俺の若い頃はみんな命がけで仕事をしてた」って言うのが、お酒がまわった合図 笑」


「私は素敵だと思います」

「ウチは社長の人柄あっての会社だからね~」

「だからちっちゃいままなんだけど 笑」


「ここで働かせて貰えて…本当に嬉しく思ってるんです、私」

「やーっぱり藤森さん、真面目ね~ 笑」

「…恥」


「じゃ私もお先に上らせていただきます」

「あ、はい!」

「さなえちゃん、隣にいるからね」

「いつもすみません…」

「いいのよ、一人でおうちで待つのも可哀想でしょ?」

「それにさなえちゃん私に懐いてくれてるし」


「そう言ってくださると助かります^^」

「いいのいいの!」

「助け合いが大事って言うでしょ」

      


        「鍵だけよろしくね~」


「はい、お疲れ様でした!」



「さなえちゃん、また明日ね~」


「うん!バイバーイ!」



カチャッ

キィ~



パタンッ








「さなちゃん、お待たせ~」

「何書いてたのぉ?」


「さなのおたんじょーびのしょーたいじょー!」


「さなちゃん、たくさんお友達できたみたいね」

「んふふ~^^」




「プレゼントは何がいい?」


「ううん、ことしはいらないの」

「?」


「「おもちゃの掃除機欲しい」って言ってなかった?」

「そーじきほしいけど、それはサンタさんからもらうの」



「でもケーキは食べるでしょ?」


「ケーキもよーいしなくていいの」


「ほかのひとがよーいしてくれるの」

「え!?そうなの!?」


「あ!」
「でもママはろーそくよーいして!」

「?」


「さなちゃんいつもいらないって言ってたのに」

「い~る~の~!」


「ふーん」



「ママ、おたんじょーびのケーキの、

『ろーそくのまほー』ってしってる?」

「ママは知らないなぁ。ご本で読んだの?」


ぶるぶる!

「ううん、おにーちゃんからきいたの!」

「!?」
「さなちゃん、かなたくんに会ったの!?」


「はいママ、しょーたいじょー!」


「?」


「おにーちゃんがママにもわたしてねっていったの」

「だからはい!」



「・・・」



「ママぁ、おなかすいたぁ」

「かえろ?」


「さな、ハンバーグたべたい」

「う、うん」


「じゃ帰ろっか!」

「うん!」



カチャッ

キィ~



パタンッ


ガ‥ガチャッ

「かぎよーし!」



            「あ、ママ!またねこちゃんがいるよ!」

           「本当だね」

   

「あのねこちゃん、

お名まえなにがいいかなぁ」


                「タマとかは?」

                 「んーー」



             「ポチは犬だもんなぁ」

        「!!」


    「ポチがいい!ポチにする!」

             「笑」


「ポチにまた会えるといいね」

「うん!」

theSUNreason.

文字を楽しむ 『文楽(ぶんがく)』 日常をそのまま切り取る 『フォトグラファー』 日向理のホームページへようこそ。