エピソード37



プーアのおそわったまほうは
たんじょうびのひにしかつかえません
プーアのたんじょうびはまだずっとさきだったので
ほんとうにまほうをつかえるようになったのか
わかりませんでした


おじいさんはぶじプーアにまほうをおしえたので
つぎのまちへいくぞい!と
まほうのつえにまたがってとなりのまちへと
とびさっていきました



リッチーとプーアはおなじたんじょうびでした


リッチーのたんじょうびは
たくさんのごちそうがならび
サーカスやゆうえんちまでありました
なんでもたべほうだい、みほうだい、のりほうだい


プーアのたんじょうびは
どうぶつやむしやおはなやおおきなき
いろんなともだちがたべものを
もってきてくれますが
たくさんはありませんでした
サーカスもゆうえんちももちろんありませんでした


たんじょうびがちかづくたびプーアはいつも
さびしいきもちになっていました
けれどこんどのたんじょうびはちがいます
まほうつかいのおじいさんにおしえてもらった
まほうをためせるからです



たんじょうびがちかづくと
おみせのひとたちはみんなにじぶんのおみせで
リッチーへのプレゼントをかってもらえるよう
ピカピカ、キラキラと
おみせのかざりつけをしはじめます


まちのひともおみせのひとも
リッチーのたんじょうびはしってましたが
プーアのたんじょうびはしらず
ましてやリッチーとおなじひだとは
だれもおもいもしませんでした


なかにはプレゼントをかわない
プーアのわるぐちをいうひともいました


それでもプーアはとおりへむかいました
とおりにはあたらしくできた
ともだちがいたからです


プーアのあたらしいともだちはとおりのパンやさん
リッチーはパンやさんのパンにあきてしまい
パンやさんにはもうかおをださなくなってしまったのでした



リッチーがもうくることのなくなったパンやさんは
おみせのまえのかいだんでとほうにくれていました


プーアはゆうきをだして
パンやさんにこえをかけてみました
するとパンやさんは「はじめまして、プーア」と
へんじをしてくれました
こうしてプーアとパンやさんはともだちになりました


そうです、プーアはじぶんのたんじょうびかいに
パンやさんをしょうたいするために
とおりにやってきたのです


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