エピソード42
「…俺って健気だなぁ 苦笑」
「!」
「寺田さん!こんなとこで何やってんすか?」
「お、おう…」
「川口か お前最寄りここだったんだ」
「寺田さんはここじゃないっすよね…」
じーっ
「ははぁん」
「な、なんだよ…」
「またかすみさんとこ行ったんすね」
「ん、ん?」
「わかりやすっ!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 笑」
「うっせえ!」
「立ち話もアレなんでどっか入りましょうよ」
「今日もダメだったんでしょ? 笑」
「『も』って言うな!『も』って!笑」
「…よし、今日は語るか!」
「はは 笑」
「美味い店知ってるんでそこ行きましょ!」
「こっちっす!」
がやがや
「取りあえずはそれで」
「少々お待ちくださーぃ!」
「はい、ご注文入りましたぁ!」
がやがや
「喜んでー!」
「喜んでー!」
「喜んで~!」
「また今日も残業してたのか?」
「寺田さんの上がるタイミングが良過ぎるだけっすよ」
「また課長に押し付けられたパターンか」
「俺結構パクられるんすよ…」
「課長より仕事してるかも 苦笑」
がやがや
「はい、お先に生2つ~!」
「まぁ取りあえず」
「お疲れさーん」「うぃーっす!」
カチィン
がやがや
ごくっ ごくっ ごくっ ごくっ
「っぷはぁあぁ~」
「んで、今日は何差し入れしたんすか?」
「あ゛?」
「なんだっていいだろ」
「ってことは、差し入れは持ってったんすね」
「・・・」
がやがや
「んで部屋に上がらせてもらえず、門前払いってやつっすね」
「なんでそんな事わかんだよ」
がやがや
「寺田さんが持ってくのって、結構ガチな『食べもん系』じゃないっすか」
「あっためないといけないやつとか」
「はい 、枝豆と唐揚げになりま~す!」
「あざーっす」
「そういうのしか思い浮かばないんだよぉ」
「小洒落たやつは苦手だし…」
「女性…特にかすみさんみたいなタイプは、
そういう『小洒落たやつ』を好むんすよ」
「例えばぁ…プリンとか?」
がやがや
「俺がプリン買う姿…想像できるかぁ?」
「ぶっ 失笑」
「完全ギャグっすね 笑」
「そこまで言われると逆になんかムカつくな 笑」
「かすみさんに本命がいるって噂、ホントみたいっすよ」
「…知ってる」
「寺田さん、知ってて行ってるんすか!?」
がやがや
「…しょうがねぇだろ、好きになっちまったんだから」
ごくっ ごくっ
「…っはあぁ」
「寺田さんは保険っすよきっと、本命がダメだった時の」
がやがや
「川口はまだ、『本当の愛』ってやつを知らないなぁ」
「ふっ 冷笑」
「俺は彼女が幸せならそれでいいんだよ」
「自分のほう振り向かないからって、嫌いになるのは変だろ?」
「んー…」
「でも『俺の彼女にしたい!!』とか」
「そういう気持ちはないんすか?」
「あー酒がなくなった、メニュー取ってくれ」
「あ、はい」
「老眼鏡かけなくても大丈夫っすか?」
がやがや
「どこだっけな…って」
「爺さんじゃないっちゅうねん!」
「…はい、お約束ありがとう 笑」
「笑」
「人はモノじゃねえんだよ」
「ちゃんと自分の意志があんだよ」
がやがや
「すいませーん、生おかわり!」
「はい 、生一丁~!」
「喜んで~!」
「喜んで~!」
「喜んでー!」
がやがや
「メニュー見なくてもいいやつじゃないっすかぁ 笑」
「まぁ、言いたいことは分からなくもないんすけど」
「保険でもいいんだよ」
「安心保障バッチリの保険でいればそれで」
「でもかすみさんとヤりたいでしょ?」
がやがや
「…ヤりてぇ」
「『安心保障バッチリの保険』が衝動を抑えられなくなったら、
それこそパクられるやつっすよ」
「・・・」
がやがや
「…あ!」
「だから風俗行ってるんすね! 笑」
「お前だって行ってんだろ!」
「最初に連れてってくれたの、寺田さんっすよ!」
「…そうだったな 笑」
がやがや
「しゃーないなぁ、男ってのは…」
「よし飲むぞ!」
「ちゃんと帰れるくらいにセーブしといてくださいね」
「ウチ狭いんで泊められないっすよ」
「わーってるわーってる」
がやがや
「すみませーん、生もういっぱい!」
「ペースはやっ! 笑」
「はい 、生一丁~!」
「喜んでー!」
「喜んで~!」
「喜んで~!」
がやがや
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