エピソード45



がやがや


「いやねぇ、


かちょーの言ってることも分からなくはないんすよぉ」


「自分がもっと効率よく、仕事ができればいいだけの話なんすから」


がやがや


ごくっ ごくっ


「…ぷはぁぁ」



「でもねぇ」


「ぶちょーのご機嫌取りで忙しい言うて、
部下にしごと押し付ける人が言ってもぉ、、
説得力ゼロじゃないっすかぁ」

         がやがや


「…まあ、な」

       「はい 、揚げ出し豆腐で~す!」


「お前も新しいやつ入ってきたら、俺みたいに逃げれっから」

「まぁそれまでの辛抱だな」


「なんすかぁそれ」

                         がやがや


「所詮ヒラはヒラ」


「歯車が文句言ってたら、不良品扱いで交換されるか、

60までずっとヒラでい続けるか、どっちかしかねぇからなぁ」


ごくっ


がやがや


「でもゴマの擦りかたなんて、大学で教わんなかったっすよ」


「…ふぅ」



「なんの為の大学だったんだろうな・・」



「なんか切ないっすね…」



ごくっ ごくっ

がやがや

「だからこうやって『アルコール消毒』してんだろうが 笑」

「なるほど 笑」


ごくっ


「すいませーん、生2つ!」

「はい 、生二丁~!」

「喜んで~!」

   「喜んで~!」

            「喜んで~!」

がやがや



ブブ…ブブ…


「ぶっ ウケる 失笑」


「あ゛?どした?」


「ほらもうすぐゴールデンウィークじゃないっすかぁ」

「ああ」


がやがや

「誰が始めたかは知らないんすけどぉ、

こどもの日にアイコンを、子供の写真に変えるってだけのイベントなんすけどね」


「ほら この、『#kodomofes』ってタグで検索すると、

子供が大人の会話してるみたいで、、結構シュールなんすよぉ 笑」


                                 がやがや

「…お前なに急に『セリフみたいな説明口調』になってんだよ」


「いや、そのほうが読んでるひとにわかり易いかなぁって 笑」

「読んでるひとってなんだよ 笑」


「いやいやぁ~ 」

「寺田さんだって知っててとぼけてんでしょ~ 笑」

「とぼけるってなにをだよ 笑」


「このやり取りだって書いてるひ

「その辺でやめとけ」



「あ、すいません…」


失笑



「…先いっていいか?」

「あ、はい…」


              笑



「でもこどもの日なんてまだ先じゃねえかぁ」

「そうなんすけどぉ」


「もうフライングしてるやつがいて」


「しかもフルチンで仁王立ちしてる写真を、

なんか有名人にリツイートされちゃってて 笑」


「ムッチャ『いいね』がついてて、公開処刑みたいになってるんすよぉ 笑」

がやがや



「あー えーっと」




「ひとつ聞いていいか?」


「ん?なんすか?」




「『リツイート』ってなんだ?」

がやがや

「ええぇえ!?」

「シーッ!!声がデカいって!みんな見てんだろ!」

                       

「寺田さん、ツイッターやってないんすか!?」

「話には聞いてるけど、やったことはない」

 ざわざわ

「マヂっすか!? 笑」

「嘘ついてどうする 笑」


がやがや

「んじゃぁさっきの、『アイコン』とか『タグ』も知らずに聞いてたんすか?」

「ああ」


「『リアルお爺ちゃん』じゃないっすか 笑」

「うっせ 笑」



   がやがや

「『リツイート』ってのは、

こうやって自分のタイムラインに流れてきたやつを

「ちょっと待て待て」


「はい?」




「『タイムライン』ってなんだ?」


「ええ!?そっからっすか!? 笑」

「やったことねえんだからそっからもどっからもねえだろ」

               がやがや


「『タイムライン』ってのは、

こうやって自分がつぶやいたやつとフォローしてる…」

「『フォロー』は雰囲気でなんとなくわかるよ!」



「…ふぅ」

「もうそこも分かんなかったら授業料発生してたとこっすよ!」




「…なんだっけ 笑」




「あ、そうそう」

                 がやがや

「んで、

自分の他にフォローしてるひとのつぶやきが、

こうやって画面に流れてくんすよ」


「あれ?お前関西だっけ」


「生まれも育ちも横浜っす」

「だよな」



「お前神奈川なのに、なんで関西弁で

「いや、『神奈川』じゃないっす」


「は?」


「だって『横浜』だろ?」

「バリバリの浜っ子っす」

がやがや

「んじゃ『神奈川』じゃねぇか」

「いや、『神奈川』じゃないっす」


 がやがや


「…くうぅぅ、、面倒くせー 笑」

「こっちだって面倒くさいっすよ! 笑」



「てか寺田さんアプリなに入れてんすか?」

「あ゛?アプリぃ?」

「なにちょっと怒ってんすか 笑」


「あ゛?買った時から増えてねぇけどぉ?」

「まさかの『工場出荷時』 失笑」


「ほんと『リアルお爺ちゃん』じゃないっすか 笑」

「うっせ!」


「俺にはこれで充分なんだ…よ…」

がやがや



じーーーっ



「ん?どしたんすか?急にフリーズしちゃって」


「…って」

「『フリーズ』はさすがに分かりますよね 笑」



「川口ぃ」

                     がやがや


「なんすか?」

「俺今結構酒臭いよなぁ」


くんくん



「ん~…」

「ここみんな酒臭いんで分かんないっすよ、そんなん 笑」


「こんな状態で女に会ったら確実にひかれるよな」

            がやがや


「酔っ払ってる女なら「意気投合して!」ってのはあるかもしれないっすけどぉ」

「でもシラフの女は…ひきますね、確実に 笑」



「…ひかれる状態を受け入れられたら、


それは『脈あり』って可能性もあるよな」



「ん~~…」


「男には酒以外にも女にひかれる要素ありますからね…エロとか 笑」

「 でもプラスの割合は多いんじゃないんすか?」


「どうしたんです?急に」


がやがや

「ここの勘定、これで足りるよな」


「川口、お前のおかげで電車に乗らずに済んだわ」


「!?」

「まさか…」


「かすみさんのほうからメッセがきたんだ、さっき初めて」


「もしかしたら保険が適用されるかもしんない」

がやがや

「Σ(`Д´ )マヂデスカ!? 」


「でも所詮保険は保険っすよ」


「それでも俺行くわ」


「どれだけ事故ったかが心配で…」



「『所詮保険』でも、やっぱり惚れた女には笑顔でいて欲しいんよ」



がやがや

「ありがとな、川口 今度またゆっくりグチ聞くわ!」



「はい 、お客様お帰りで~す!」

「ありがとうございました~!」

   「ありがとうございました~!」

            「ありがとうございました~!」


がやがや



「…さすが『敬老の日』生まれ」


「じじくさいけど…リスペクトしちゃうんだよなぁ…」

                     がやがや


「上手くいくよう一人で乾杯でもすっか 笑」

「すいませーん、生おかわりぃ!」


「はい 、生一丁~!」

「喜んで~!」

   「喜んでー!」

            「喜んで~!」




がやがや

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