エピソード57



                      てくてく…

            

キャッ キャッ


           てくてく…

          ワーーイ!


「さなちゃん、今日は元気ないね」



「あ、おにーちゃん…」


「どうしたの?」



「あのね、ママがね、

おくすりなくてもだいじょぶになったの…」


「麻衣さん、笑顔を取り戻せたんだ」

「ママ元気になって良かったね、さなちゃん」



「うん…」


「でもね、ママの『まっくろくろ』、まだきえないの…」


「それは『トラウマ』になってるものかもね」

「とら🐯うま🐴?」



「さなちゃん、お洗濯しても落ちない汚れがあるの、知ってる?」

「しってる!!」


「さな、ころんでちっちでちゃって」
「およーふくでふいたらおせんたくだめだった!」


「おせんたくだめなの、どしたらだいじょぶになるの?」


「それはね『クリーニング屋さん」っていうプロのお洗濯屋さんで

『シミ抜き』をしてもらえば大丈夫になるよ^^」



「『とらうま』も『くりーにんぐやさん』でだいじょぶになる?」


「クリーニング屋さんでも難しいかなぁ、『トラウマ』は」



「そかぁ…」


「でもさなちゃんの魔法で大丈夫になるよ^^」



「ホント!?」



「でもさな、もうこのこうえんこないの…」


「おにーちゃんにもあえなくなるの…」



「魔法の種はもう、さなちゃんの心に植え終わったから大丈夫だよ^^」


「ホント!?」

「もうさな、まほーつかえる?」


「魔法はまだ使えない、かな…種を植えたばかりだから」



「そかぁ…」



「さなちゃんが魔法の種を大事に育てて、芽が出た頃に」

「僕がさなちゃんに会いに行くよ」



「ホント!?」

「こここなくても、おにーちゃん、さなのばしょわかるの?」


「うん、わかるよ」

「もうさなちゃんが僕を見つけてくれたから」


「おにーちゃん、すごーい!」


「まほーのたねってなにあげればいいの?」



「さなちゃん、みんながにこにこ笑顔になるの、好きだよね^^」

「すきぃー^^」



「そのにこにこ笑顔が魔法の種を育てるんだよ」

「なんだぁー!かぁーんたん!^^」



                「あ!ママだ!」

「さなちゃんお待たせ~!」



「かなたくん、いつもありがとう^^」

「さなちゃんから聞きましたよ、良かったですね麻衣さん^^」


「そうなの だからかなたくんとも今日で

「それもさなちゃんから聞いたので、大丈夫です^^」


「…そう」


「本当に助かったわ、ありがとう^^」

「これつまらないものだけど…」


「僕はただお喋りしてただけなのに…なんだか悪いですよぉ」


「でも

「ママこれつまんないの?」



「ん? ふふ 失笑」



「これはおもちゃじゃないからつまんないかなぁ~」

「でもお菓子だから美味しいよ^^」

「いいなー」



「おにーちゃんはおかしきらい?」


「好きだよ」



「ママ『かなたくん、ありがとう』って気持ちで

用意したんだけどね」


「貰ってくれないの、かなたくん」


「えー!」
「おにーちゃん、
ママのありがとはもらうのー!」


「参ったなぁ 苦笑」


「ふふ 笑」


「じゃあ頂きますね、ありがとうございます^^」



「はい、これ」


「さなちゃん、かなたくん貰ってくれたよ!」

「んふふ~^^」



「じゃぁ、そろそろ…」


「はい^^」


「本当にありがとう^^」

「さなちゃん、かなたくんに『バイバイ』は?」

「またねー!^^」


「ふっ 苦笑」

「うん、またね^^」



                           「よし行こー!」

                        「いこー!」






「さなちゃんお夕飯何がいい?」


「さなハンバーグたべたいー」

「また!?」



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