エピソード67
…あっ、えっ、いっ、うっ、えっ、おっ、あっ、おっ…
♪~♪♪~~
…そーれっいち、そーれっにぃ、そーれっさん、そーれっしぃ
そーれっ、いちにぃさんしっ、いちにぃさんしっ…
「これこれ!」
「…いきなり告って」
「ん?」
「…いやいや、それは無謀すぎるっしょ」
「凄いよね、秋葉栞!」
「もうドラマの主演決まったんだよ!」
「…先ず、さりげなぁい話題から」
「うそ!?」
「秋葉栞って去年くらいだよね、テレビでだしたの」
「…ウィットに富んだ
「私も単に「可愛いひとだなぁ」くらいに思ってたけど」
「結構ガチで女優だったからびっくりした!」
お喋りなんて出来ないぞぉ」
「あれってやっぱり才能なのかなぁ」
「演技してる感じが全然なくって、
役そのものになりきってるっていうか」
「!」
「思いついたぁ!」
「…てか」
「さっきからなに1人で呟いてんのさぁ、三月ぃ」
「2人とも、
もうすぐ『バレンタイン』だってのを忘れてない?」
「忘れてはいないけど」
「じゃあこの学校に、
『バレンタインの伝説』があるってのも
知ってるでしょ?」
「ん~っと」
「バレンタインがバースデーな人が告って、
イケメン大学生をゲットした、
『ミラクル!』ってやつでしょ?」
「でもまだ1月だよぉ?」
「そう…『もう』1月なの!」
♪~♪♪~~
ガサゴソ…
「ん?」
「三月どっか行くの?」
「ちょっとモールの本屋行ってくる!」
「先輩にはうまくごまかしといて!」
「はいよー」
…そーれっいち、そーれっにぃ、そーれっさん、そーれっしぃ
そーれっ、いちにぃさんしっ、いちにぃさんしっ…
「ん?」
「三月って本読むっけ?」
「見たことない 笑」
「あの、すみません!」
「いらっしゃいませ。」
「本をさがしてるん、
です‥けど…」
「本の検索でしたらあちらの機械でできます。」
「…し」
「し?」
「こちらでもお調べできますよ^^」
「何をお探しですか?」
「えっと…」
「『魔法のろうそく』っていうの、
なんです、けど…」
「少々お待ちください^^」
もじ もじ
ぎく しゃく
「お待たせしました^^」
「在庫ありましたのでご案内しますね^^」
「あ、はい!」
そしてまさかの絵本コーナー…
スーッ
「こちらですね」
「そ、それください!」
「ありがとうございます^^」
「ではレジのほうへ」
人生初、自腹で買った本がまさかの絵本…
「ではお会計が1,000円ちょうどになりますね」
「あ、はい」
「ではこちらレシートになります」
「プレゼントですか?」
「いえいえ!」
「では袋にお入れしますね」
ガサゴソ…
「お待たせしました」
「ありがとうございます^^」
こくり
「…ふぅ買えたぁ」
「慣れない場所だと、どーも落ち着かないんだよねぇ」
「よいっしょ」
ガサゴソ…
「うわぁ、可愛い^^」
「先輩の好きな本が、まさか絵本だとは思わなかった…」
「か、『かうもと さくら』? 」
かうもとってどんな字書くんだろ…
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