Episode.10



「♪~」



    ガチャ、ギィィィィィ…



    やっべ、誰かきた


「・・・」




    バタンッ!!



「スウゥー…」

「2年3組の『森田翔』くーん♪」


!?


なんで俺の名前知ってんだ!?



「スウゥー…」

「『バカと翔は高いところが好き』~♪」

え!?



「だぁかぁらぁ…」


「そこにいたりしてね♪」


「・・・」



「あは 笑」


「全然隠れられてないし^^」



「…沙織」



                  ひょい



すとん



「ひっさしぶりぃ~♪」


「…久しぶり」


「3年…くらいかな」


「んーそんくらい、かな?」



「さすが思春期男子!」

「ん?」


「結構背ぇ伸びたんじゃない?」


「かもね」



「沙織も…」

「ん?」



「高校生…っぽくなった」

「ふふ 笑」


「ありがと^^」




「…なに?このビミョーな距離感は」

「ん?」



「せっかく久しぶりに会ったんだからさぁ、こっちきて話そ♪」



            「ん?あぁ…」





「翔がこっちに戻って来たってことは…」


「そっ」



「そっかぁ」

「翔もいろいろ、振り回されて大変だね」


「しょうがないよ、まだ俺未成年だし」





「あのさ…」


「ん?」



「いっこ聞いてもいい?」


「なに?」




「バスケ…やらないの?」




「・・・」



「…実は前の学校でケガしちゃって、さ」



「そう、だったんだ」



「…ケガはもう大丈夫なんだけど」



「俺ってば昔からメンタル弱かったじゃん!」

「ケガした時んこととか頭ん中よぎったりして…」



「…まだボールも触れないんだ」



「そっか…」





「ざーんねん!」



「もう1度見たかったなぁ」


「翔の、ジャンプシュート」




     「よいしょ 

       


           っと!」



      

               「もう行くね♪」


           「翔のファンに見つかるとヤバいし 笑」




「俺そういうのニガテって知ってるでしょ」


「うん^^」



「でも中学生が可愛く見えるくらい、

女子高生は裏でしれつな縄張り争いしてるから」


「それに、


へたにカーストの上に目ぇつけられんのも、

後々めんどーだし^^」




「あのさ!沙織ぃ…」


「ん?」



「これからも会って話したりって…」


「で、できるかなぁ…


なんて」



「ふふ 笑」




「んじゃぁ、

スクールカーストの包囲網、

突破できたら連絡するよ 笑」


「そしたら『あそこ』に集合ね♪」


「わかった」



「その代わり…ジュースおごりで^^」

「オッケー^^」



「じゃ行くね」




    ガチャ、ギィィィィィ…

「あ、沙織!」


「ん?」


「会えて、よかったよ」



「ふふ、じゃあね♪」




    バタンッ!!



「…ふぅ」



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