Episode.12



「♪~」



                           そーーっと



 そーーっと



    「わっ!!」

びくっ!

「!?」


「びっくりしたぁ…」


「あはは 笑」

「油断してた翔が悪い^^」


「あっちから来ると思った?」


「うん、いつもあっちから来てたから」


「あんときはあっちに中学があったから」

「あ、そっか」



「どっち飲む?」


「んー…こっち!」


「ほい」

「サンキュー♪」


シュコッ シュコッ


「んじゃあ改めて、再会を祝って♪」


「かんぱーい^^」

コッ

「かんぱーい」



ごくごくっ ごくごくっ


「ふうぅ」



「…なんでこないだ、俺が屋上いたのわかったの?」


「言ったでしょ?『バカと翔は高いところが好き』って^^」

「あんときもよく、あそこの木ぃ登って、無意味に隠れてたし」


「無意味て 笑」

「あは 笑」


「それに、こっちの中学じゃなかったから、顔見知りはいないだろうしぃ」


「目が♡の女子から逃げるなら…屋上かなぁって♪」


「なんでもお見通しって感じか 笑」


「そっ、なんでもお見通し^^」



「あー…確か吹奏楽だっけか」

「今もやってるの?」


「やってるよ^^」

「翔、バスケやんないなら吹奏楽やれば?」


「女の子が多いからモテるよぉ~♪」


「沙織わざと言ってるでしょ 笑」


「ふふ 笑」


「それに、音楽はさーっぱりわかんないから無理!笑」



「懐かしいなぁ、ここ」


「来てたりはしてなかったんだ」


「こないよぉ」

「通学路がたまたまそこだっただけだもん」



「そっか」


「それこそあんとき、休みに部活行く時ここ通って」

「そしたらあそこでシュート練習してる翔を見かけて…」


「最初見たとき見覚えのない顔だったから」

「「引きこもりなのにバスケ!?」とか思っちゃった 笑」


「ってかそれ、面と向かって言ったんだぜ?沙織」

「そだっけ? 苦笑」


「あんとき俺、地味ぃに傷付いたんだから 笑」


「あはは 笑」

「ごめんごめーん^^」



「でもそれが、こーんなイケメンになるんだから…」


「人生ってなにが起こるか分かんないよねぇ♪」



「ふふ 笑」


ごくごくっ



ブブブブ…

「あ」


「ん゛?」


ガサゴソ…


「ママからだ」

カチャ…


ピッ

「やっば!今日ピアノだった!」

「あらら」


「翔、ごめんね」

「ダッシュで帰んなきゃ」


「いいよいいよ」


「ここで会えただけでも嬉しかったから」



「ホンット、ごめん!」


                          「また連絡するね!」


「うん、またね」




「…ふぅ」



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