Episode.13



ドーーー♪


レミファソラシドー♪



ガラガラガラァ…


「おお、希頑張ってるね^^」

ガラガラガラァ…


「んー」


「でもまだ下のドとかレは、

『ふん!』ってやんないと出ない」


                  「ふふ 笑」


                 「でも上達、早いほうだと思うよ」

「ホント!」

「じゃぁ、合奏出られる!?」


「それはまだムリ」


「( ̄д ̄)エー」

「だって、まだ半音だって吹けないでしょ」


「あ!そだ…」

「半音の存在を忘れてた…」


「しかも小指が大活躍するよ 笑」


「( ̄д ̄)エー」

「なにその小指の不当な扱いは」


「それに、横に色々ついてるキーも使うし」


「指全部使ってんのに、

どうやってそれ使うの?」

「手のひらとかで」


「もう総動員じゃん…」


「なんか2年のうちに、合奏出られる気がしない」


「大丈夫だよ」


「希、筋がいいから、

定演までには間に合うんじゃない?」

「えーー!?」

「それ、いっちゃんラストじゃん!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」


「笑」


「じゃあ3年になっても続ければ?」


「ノンは?」


「ん?」

「私は受験あるし」


「それじゃ私だけ、なんか

お局さまみたいになっちゃうじゃん!」


「春日局みたいに君臨すれば? 笑」


「なんでちょっと、女の争いが

ぼっ発しそうになんのよ! 笑」


「ふふ 笑」



「なぁんか」

「1人さびしく個人練すんの飽きたぁ…」


「サックスの1年生、みんな経験者だからね」


「ふぅ…」


「ちょっちきゅうけー」



                コトッ

「はい、『シュワぁあ』」

「やった!さすがノン!」


「サンキュー♪」


「ふふ^^」



シュコッ


ごくっ ごくっ

「くぅーーーっ!しみるぅ!」



げっっぷ


「その『おじさんゲップ』、

もうやらないかと思ってた 笑」


「生理現象 生理現象 笑」





ごくっ

「んでさ、いきなり話飛ぶんだけど」


「ん?」


「なんかいいことあったでしょ」


「…なんでそう思うの?」


「だって『将棋』じゃないんだもん」


「将棋?」


「こうやって会話がポンポン進むのって、

いつものノンじゃないから」


「なんか気持ちが、ウキウキしてる感じ」



「そっか」



「…あのね」


「うん」



「私、好きな人ができたんだ」


「…やっぱそっか」


「驚かないんだ 笑」



「私、ノンとは付き合い長いんだよぉ?」


「なんか嬉しいことあって、

そんだけウキウキな感じなら…


そっち系かもってフツーに想像はつく」


「そっか」




「告白すんの?」



「どうだろ」



「…しないかも」


「そのひと人気あるし…」





「…ねえ、ノン」



「ん?」



「それって、自分から

誰好きになったのかバラしてるよ」


「あ」


「そっかぁ~」
「ノンも『ズキューン!』ってなったんだ 笑」


「いや、一目惚れじゃないんだけど…」


「? そうなんだ」


「いつも一緒に帰ってるの」


「うっそ!?」

「それもう、付き合ってるようなもんじゃん!」


「それはたまたま帰る方向が同じで…」


「ファンの女子から匿ってあげてるというか」


「でもなんとも思わないコと、

一緒に帰ったりはしないでしょ、フツー」


「…そう、なのかな」


「そうだよぉ!」

「ただでさえ競争率高いのに、
それ超アドバンテージじゃん!」


「んー…」



「ノンセンパーイ!」

「あ、なっちゃんの声だ!」


 タタタタ…



ガラガラガラァ…


「ノン先輩」


「ん?なに?」


「部長がノン先輩呼んできてって」


「わかった、ありがとう^^」


タタタタ…



「希」


「ん?」


「ありがとうね」

「なんか希に話したら、ちょっと楽になった」


「大丈夫、私クチかたいから」


                   「私なりにちょっと頑張ってみるよ」

「うん、応援してるよ!^^」



                   「ありがとう」

                   「じゃ、いってくるね」


「はーい」



ガラガラガラァ…



そっかぁ

ノンにもやっと春がきた、か





「私のはいつ来るんだ?」



…あかんあかん(;・∀・)

1人どよーんとしてどうすんねん!





「スウゥゥーー…」



ドーーー♪


レミファソラシドー♪




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