Episode.5



ガラガラガラァ…


                     「おさむしぃ~」


「仁美ちゃん、どしたぁ?」


「入会きぼーと見学者、連れてきた~」

「お?ホントに?」



「入ってきなよ」


「失礼しまーす」

「失礼します!」


「お?男子2人!」


ガラガラガラァ…


          「えっとね、

       そっちが「おかざき よーすけ」くんで…

「どもです」


        おさむしぃとおんなじ『変態』さん 笑」

「そなんだ 笑」


      「んでこっちが「たけだ たくや」くんで…

「3ねぇんBぃ組ぃ!!」


          「絶対言うと思った 笑」


          「たくやくんは見学ね」

「は、はじめまして!」



しーん…



          「…おさむしぃ、自己紹介」


「あ」


「そか、忘れてた 笑」

「はは‥」



「サークル創設者兼会長の、『左野治』です^^」


「2人ともここ、

なにやるサークルかはもう聞いた?」


「いえ」

「いえ!」



「立ちながらもなんだし、取りあえず座ろうよ」

「あ、はい」



「先ずあそこに、デッカい100円玉貯金箱あるでしょ」


                    「はい?」


「あそこ」


「はい」



「僕って敬語ニガテなんだよねぇ」

「なんで、ふつーにタメ語で」


「でもいきなりってのも難しいから…2ヶ月、だっけ」


       「うん、アタシんときそうだった」


「それ以降敬語使ったら罰金だから 笑」


                    「あのぉ…」

「ん?」

                    「おさむさんって学年は…」

「3年」


           「アタシも3年」


「じゃ敬語なしでも大丈夫か…」

「ん?」


                    「あ、俺ら一浪してるんで、学年的には2年なんす」

              

「じゃあ今からでも大丈夫だね^^」

「よゆーで」


「じゃあ今から罰金ね!」

                    「( `д´)b オッケー!」



             「あ~あ 笑」


「?」


          「おさむしぃ年齢不詳だから、

      アタシ最初ん頃、どんくらい罰金払っただろ 笑」

                    「え!?」


                    「じゃあ二浪して…23とか?」

「27」

「へ?」

「にじゅう・なな」

           「まぢっすか!?」


      「はーい、たくやくん罰金 笑」


                    「あ」


「じゃあ俺らが中坊の頃で既に」


チャリン♪

「だいがくせー 笑」


「でも留年したわけじゃなくって」


「別の大学1回行って、しばらくなんやかんややって…

また大学生やってるって感じ^^」


「んでね、大学入ったのも、

このサークルを立ち上げたかったからなんだ」



        「みんな覚悟して、おさむしぃ話長いから 笑」



「ここはね『創造したい会』って言う…だっせぇ名前のサークル 笑」


                    「『そうぞうしたいかい』…」


「創造ってcreationの創造ね」

「シンプルに『創造会』でもよかったんだけど、

なんか新興宗教っぽいからやめた 笑」


「あぐらかいてジャンプできないし 笑」

「ぷっ 失笑」


「あれって浮いてるテイなのに、

「ふん!」って勢いが滲み出てて、

見るといっつも笑っちゃう」

「だよねー!」

「あのちょっとブレた、瞬間感満載なね! 」


「そそ!」

「あれ絶対笑っちゃいますよね!」


      「はーい、よーすけくん罰金 笑」


「あ」


                    「んでここは何するサークルなんす

                     …かねぇ、たかなしさん 笑」


チャリン♪

「お!うまいこと仁美ちゃんに逃げたな!」


「…けどぉ?」

                    「けどぉ!?」

      「はーい、たくやくん罰金 笑」

「はっ 笑」

                「えー!」


       「おさむしぃ限定だとは誰も言ってない 笑」


チャリン♪


「どんなものでも分野でもいいんだけどさ、

『なんかちげー』って思ったことない?」

                    「んー…どうだろ」  


「…俺結構音楽好きで」

「割といろんなの聴くんだけど」

「うん」


「周りの人が「スゲー!」とか「うめー!」とか、

絶賛してるやつの実際のを聴くと、

『なんかちげー』って思うかも…」 


「おー素晴らしい そういう感じのやつ」 



              「そっかあ…」  

「ん?」  

 

      「ひとりごとみたいに喋れば、罰金回避できたのかぁ」

  

「確かに 笑」

「でもずっと独り言だと治さん、ちょっとさびしいぞ!」

 

                     「おさむさん、おもろい 笑」 


「『なんかちげー』ってのは確実に、自分に

しっくりくるものがあるからこそ感じる、違和感みたいなもんで」


「そこを突き詰めると、実はそれが結構、

誰も知らない新しいものだったりすんのよ」  

 

「…へぇ」  



「創造ってのはさぁ、ゼロから1を生み出すもので」

「世の中には1を10に、10を100にぃとかしたもんがたくさんあんだけど」

「ゼロから1ってのは何気に少ないんだよね」 


「もう大学出ちゃってる大人だと、課題とか仕事を与えられたりってのに慣れちゃってて」

「全部が受動的になっちゃってるから、

クリエイティブな発想ってなかなか出来ないんだよね」


「結局は誰かしらを参考にしたり真似したり」


「最近は「インスパイア」って言葉でパクりを正当化したりして…」

「治さん的にはそういうのって…『なんかちげー』んだよね 笑」

「だからまだ社会に出る前の、

大学の時期使って創造する人間をこう、育成してやろうかと 笑」 



           「ねっ!」
       「長いでしょ~、話が 笑」 


                     「笑」

「笑」 


「『何かを創造すること』」


「やることはそんだけなんだけどね」



     「おさむしぃは、泉があるから簡単に言うんだけどね」

        「アタシはまだ生まれる気配すらない 笑」


                     「『いずみ』?」

「頭ん中に『湧き出る泉』みたいなんがあって、

そっから常に何かしらアイデアが出てくんのよ」


                     「そういうのだったら陽介、

                     似たようなもんあんじゃん」

      「ホント!」



「おさむさんみたいに『常に』じゃないんだけど」

「突然になんか思いつくことはある…」


「おお!期待の新人現る、か!」


「で、たくやくんはどうする?」

「もう200円払っちゃったけど 笑」


                 「あ!そっか!俺見学だった! 笑」

「はっ 笑」


                     「でもおもろそうなので、入ります! 笑」


「おお!」

「また罰金だ! 笑」

                     「あ 笑」


「あと2人なんだけど…

1人は4年で就活理由で辞めちゃって笑」

チャリン♪


「もう1人は、外で良さげなひとを座って探してる」


「良さげな人を座って?」


      「分かりやすく言うと『変態探し』 笑」

                          

「僕はまだやることあるから、双葉ちゃんと合流したら、

居酒屋かどっかで歓迎会してきぃ」


            「はーい♪」

                     「おさむさんは?」


「僕お酒飲まないんだよ 居酒屋も『なんかちげー』から 笑」

「でも終わったらちょっとは顔出すつもり」


                        「じゃあ双葉んとこ行くよ~」


「あ、はい」


ガラガラガラァ…


「おさむしー、あとで~」

「はいよぉ」


「失礼しま…」


「笑」


「挨拶はもう定型文で染み込んじゃってるだろうから


…許す!d( ̄  ̄)」


「笑」


「あざーす!」


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