Episode.11



♪~♫~♪


「うわっ、結構聴いてるひと多いんだね」


「一般の人も来てるから」


「すごいね~」


「アカペラって、初めてちゃんと聴いたかも^^」


「まだアカペラ自体そんな有名じゃないからね」


「アタシもアカペラ知ったの、大学入ってからだもん」

「そなんだ」



「それにあんまテレビも観ないし」

「それは俺も一緒」


♫~ッ!


じーっ


( ゚Д゚ノノ”☆パチパチパチパチ



「ふーん、音叉とピッチパイプと、

グループによってルートの取り方が違うんだ…」



「うーん…全然わかんない 笑」



「ピッチパイプって、歯車みたいなカタチしてて」

「全部の音を鳴らせるんだよね」


「パイプを「プー♪」って吹くから、みんなに聞こえるんだよ」

「でも精度はよくないから、ズバリその音は鳴らせないんだ」


「ふーん」


「ほら、あのコが手に持ってるやつ」

「アレか!」


「…でも歯車ってより『えへん虫』みたい」

「色も茶色だし」


プーッ♪


「ホントだ!「ぷー♪」って鳴った」


「なんか可愛い音^^」



「音叉って、チューニングフォークって言うんだけど」

「まんまフォークみたいなカタチしてて、ひとつの音しか鳴らせないんだ」

「でも精度が高くって、ズバリその音が鳴るんだよね」

♩~♪~


「それはみんなに聞こえるの?」

「ううん、蚊みたいなちっちゃい音」


「多分一般に流通してるやつを使ってるだろうから、

440Hzのラの音が鳴るんだけど」


「そこから曲のキーの音を取るから、

絶対音感のある人がいないと結構難しい」

「『ぜったいおんかん』?」


「音が鳴ったら、それがなんの音かすぐ分かるひと」

「そんなひといんだ!?」



じーっ



「そっかぁ…アカペラでも楽譜に依存はしてるのかぁ」


「ん?なんか言った?」


「ううん、でもだいたいヒントはもらえた」

♪~♩~


「よかったね♪」

「うん」



「あのさ…仁美さん」

「なに?」


「明後日、治氏と吹奏楽の人と、3人で打ち合わせするんだけど」

「あ、それおさむしぃから聞いたかも」



「…一緒に行って欲しいんだ」


「え、でもアタシ一般ピーポーだし、音楽もよくわかんないよ?」


「初めて行く場所だし、自分のを発表したりするから

…緊張しちゃうかもしれなくって」


♩~~

「でもドキドキしちゃうひとが隣にいてくれると、

それ以上は緊張はしないかもなぁ…なんて思ったり 笑」

「あは 笑」



「いいよ^^」


「一緒に行ってあげる♪」

「ホント?」


「うん、ホント♪」



「や」


「ここでは叫ばない 笑」


「あ、そか」


「部室戻ろ!」


「『逆算』のアドバイスとかして欲しいし」


「うん、じゃ戻ろっか」



「あとは…」

「ん?」



「よーすけがいつ『さん付け』で

呼ばなくなるか、だけだね♪」


「うっ…」



「それはもう少しご猶予を」


「( ゚Д゚)ゞ リョーカイ!! 笑」



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