Episode.15



「おーい、理紗ちゃーん!」


「はーい(。>ω<。)ノ」


「合奏3人見学あるから、
椅子用意しといてー!」


「(>Д<)ゝ”ラジャー!!」




「さのっち」

「ん?」


「さっきのはまだオフレコで」

「はいよ」


「ガチのをやりたい人は、部のほうに行ってるから」

「たぶんいい反応は返ってくると思うけど」


「初対面でいきなりだと…」

「たぶんみんなキャパオーバーしちゃうから 笑」


「準備できましたぁー!^^」

「はーい!」

 



             「先にちょろ~っと紹介しとくから」



「その後で入ってきて」

「はいよぉ」







「吉岡ぁ、連絡事項は?」

「あ、今日は無いです!」


「理紗ちゃん、チューニングは?」

「もう済んでます♪」



「今日の合奏を始める前に」


「僕が散々話題にしてきた、『あの』

さのっちが、今日は来てくれてます」

おおー!



「なんか盛り上がってる 笑」


「さのっちのサークルの人も来てるけど…」

「みんな変に緊張しないように 笑」




「僕が簡単になんか話すから」

「2人は入ったらもう座っちゃってて」


「じゃあどぞぉー」

「はい」

「はーい」

バタバタバタ…!


「何あの音!?」


                「みんな楽器持ってるから」



「拍手じゃなくて足踏み 笑」

「おもろーい^^」







バタバタバタ…!

そーっと…


         「あ!」



「えー」

「あたたかい足踏みありがとうございます、佐野治です^^」

「でも有名人とかじゃないから、ちと恥ずかしい 笑」



「さのっちは、ここではじゅーぶん有名人なの」



「えーっと…」


「『変態』で?それとも『心優しきドS』で?」



「どっちも 笑」


「なんだよぉ~」

「じゃあもう話す事ないやん 笑」



「えっと、

好きな食べ物は…


シーチキンとチョコ」

「子供かよ! 笑」


爆笑


「なんか漫才みたいだね♪」

「だね」


「ふっ 笑」

「ねぇ、変なひとでしょ?」


はい!


「そこは吹奏楽のノリで返事しない 笑」

「あは 笑」

爆笑



「じゃあ、さのっちには座ってもらって」


          「ほーい」


「「なんかちげー」ってなったら」

「遠慮なく口出ししてね」



「ほーい」



「じゃあ今日はオリジナルじゃなく」

「ウチらの苦手なポップスを『敢えて』やろう」


えー!


「えー言わない」


「練習でカッコつけてもしょうがないでしょ」




「おやおやおやぁ?」


「返事がないぞぉ~?」



…はい



「元気がないぞぉ~?」


「元気があればなんでもできる!」

「ぷっ失笑」


「いくぞー!」



「いーち、にーぃ、さーん…」


しーーぃっ!ヾ(≧∀≦☆)


「爆笑」

「さすが治氏のダチ 笑」








どよーん…






「さっきまでの勢いが…」





「んー…」



「なんか違うよなぁ…」




「さのっち、どう思う?」


「グルーヴがゼロだね」


「うわっバッサリ 苦笑…」



「だよねぇ、やっぱ」


「僕嫌われたくないから、

代わりにさのっちに言わせてみた 笑」



はは…



「超かわいた笑い…」




「えーっと」

「縄跳びできないひとぉ」



じろじろ…



「んじゃスキップ出来ないひとぉ」



            そろ~


「吉岡、スキップ出来ないんだ!? 笑」



「縄跳びとスキップ、

まぁ出来ない理由は色々あると思うけど…

出来ない人の共通点はふたつあって」


「ひとつは、チカラが入り過ぎてる事」

「んでもうひとつは、意識し過ぎてる事」



「自転車ってさ、初めてのときって、

むっちゃハンドルを動かしまくるでしょ!」

「逆にそれでバランスが取れないってのに、

気付かないくらいあっぷあっぷしてる 笑」



「あとはぁ…」



「握手!」

 

         「ほい光一、握手」

  「うい~」

                                                                                         がしっ


         「はじめまして、佐野です( ̄ー+ ̄)キラリ」


                           「はじめまして、じゃないでしょ( ̄ー+ ̄)キラリ」


爆笑


         「こん時にぃ」

         「まぁ医学部のひととかは思うかもしんないけど…」

         「人差し指の第一関節が何°で」

        「握力が大体何kgで」

         「…っていちいち考えないでしょ」


(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン



                           「んで」

                         「いつまで握手してればいいのかな?」




「アフリカ系アメリカ人」

「いわゆる黒人の多くはクリスチャンで、

教会でジーザスを讃えて、

ゴスペルをクワイアしてるんだけど」


「言動がミスター 笑…」


「物心つく前からその環境にいるから、

自然とグルーヴ感が出たり、

ぐるんぐるんなフェイクとか歌えるんだよね」


「それって要は…そんなひといないと思うけど」



「物心つく前から縄跳びしてるようなもんで 笑」



「掴み立ちの赤ちゃんが、突然スキップしたら怖いでしょ 笑」


爆笑



「英才教育ってのは、

モノを認識したり言葉を話したり…」

「人のデフォルトの機能と一緒にそれを学習するので」

「握手をするような感覚でドリブルとか、

ラケット振ったりできるようになるんだよ」


ほほ~



「勿論、黒人のみんながみんな、クリスチャンで

ゴスペルをクワイアしてるわけじゃないので 笑」

「歌が下手な黒人も当たり前にいるわけで」



「…なんか話が講義みたいになってきたね 笑」




「『長縄跳び』ってさ、回す人両方が

むっちゃチカラ入れて回してたら、

ぜってぇ「入れ!」言われても無理だと思うんだ 笑」


爆笑


「チカラを入れるとこと抜くとこ、それがあって

初めて『お入んなさい』っていう余裕ができるんだよね」


「その縄跳びの『お入んなさい』ってのがグルーヴ」




「すんげーわかる!」

「けどみんなには多分解かんない、それじゃ 笑」


「そっか 笑」


苦笑



「曲には同時に幾つもの縄跳びが存在していて」

「お!」

「いち、にい、さん、しぃ にぃ、にぃ、さん、しぃ

っていう小節の縄跳びもあれば」

いち、にい、さん、しぃ にぃ、にぃ、さん、しぃ

っていう拍の縄跳びもあったり」


「もっと言えば8分や16分音符の小さい縄跳びもあれば、

8小節や16小節っていう大きな縄跳びも存在してる」

「でもそれを意識した段階でチカラが入っちゃうので、

後天的にそれを養うには、その意識を限りなく無意識に近づけるしかない」



「…って事ですよね?」



ぽかーん…



         「…すご~い」



「凄いな、ようすけくん!」

「でもみんなにはそれはまだ未知の領域だ 笑」



「類友ってやつだね 笑」


爆笑




                 「んじゃこの流れなら話しちゃうか!」






「実はこのさのっちの愛弟子の、

おかざきようすけくんが、ウチの楽団使って

新しいものをやりたいって言ってるんだ」


おぉ



「ようすけくんは長い期間かけて、

ウチらを英才教育したいらしい」


おぉ!



「みんな…ワクワクするでしょ 笑」


(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。) ウンウン



「みんなー!」
「よーすけくんの子供になりたいかぁー!」


おー!ヾ(≧∀≦☆)



「スキップできるようになりたいかぁー!」


           「おー!」


             「あ」


「ぷっ失笑」




「よーすけくんに育てられたいかぁー!」


おー!ヾ(≧∀≦☆)



「ニューヨークに行きたいかぁー!」


おー!ヾ(≧∀≦☆)


「なにこの団結力は 笑」


「いくぞー!」



「いーち、にーぃ、さーん…」


しーーぃっ!ヾ(≧∀≦☆)



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