эпизо́д.12-2




ご乗車ありがとうございます。

この電車は初鐘行き、下り最終電車です。


「うん」

ガタン


まもなく管十川ぁ、管十川です。

お出口は右側になります。


「踊り、めっちゃ真剣にやってくれたし 笑」


えー、まもなく管十川、管十川です。

管十川を過ぎますと上り電車はございませんので

お乗り過ごしのないようご注意ください。

ゴトン

「はは 笑」

管十川、管十川です。


「『フントちゃん』の引き立て役だもん」

「やるならちゃんとやらないと、台無しになっちゃうでしょ^^」


「私1人だったら、絶対空回りして終わってたもん 笑」


「まぁ…みんなよりも『歳上』だしねぇ、俺 笑」


「直人くんも一浪してるんだよ、知ってた?」


「あ、そうだったんだ」


「フントくんもそうだけど、美波も

…なに仕出かすか分かんないひとだから」


「直人くんだから安心して任せられる、ってのはあるかな」


「ん?あの2人付き合ってんだ」


「え!?今まで気付かなかったの!?」



「練習の帰り、いつも一緒だったり、隠れてイチャイチャしてたでしょ」


「んー言われてみれば…って感じ?」

ピンコーン♪

シューーーッ



 ガッ プシュー



管十川ぁ、管十川ぁ。

足元にお気をつけてお降りください。



「誰と誰が一緒に帰ったとかあんま気にしないし」

管十川ぁ、管十川ぁ。

「『隠れて』イチャイチャしてたら気付かないし 笑」

管十川、管十川です。



「俺、男女の色恋沙汰ってあんま興味ないんだよね~」


管十川を過ぎますと上り電車はございませんので

お乗り過ごしのないようご注意ください。

「!?」



「…って事はまさくんってフントくんの事

「それは絶対ない」


「はい、下り最終、まもなく発車しまーす!」

 


「この話するといっつも言われんだよねぇ 苦笑」

「まもなく発車しまーす!」


「最終の電車で宣誓するこっちゃないけど…

恋愛対象は100パー女性だから」

♪~


シュー バタッ バタタ! シュー

「それに仮にだよ?」


「駆け込み乗車おやめくださーい!」


発車のベルが鳴り終わってからのご乗車は大変危険ですので

お止め頂きますようお願い致します。

「仮に俺が女だったとしても…」

♪~



シュー バタン




「フントを好きにはならない 笑」




ガタン

「あはは 爆笑」


ご乗車ありがとうございます。

この電車は初鐘行き、下り最終電車です。


「そんなに可笑しかった?(;´∀`)」


次は宮ノ郷、宮ノ郷。

「だって、『一瞬の沈黙』でそれ言うんだもん 笑」

「ああ、そっちか 笑」

ゴトン


「友達にそう断言されちゃったら、

フントくん、もうアウトでしょ 笑」


「でも価値観は人それぞれだからね」

「フントを好きになる…マニアな女性もいるかもしんないよ? 笑」



「でも俺は」


「『お出汁でひと煮立ち』はぜってーされたくない 笑」


「あはは 笑」

「私も無理だ 笑」


ガタン

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