эпизо́д.51-2




「その先輩って一個違いの先輩なんでしょ?」



「へ、へぇ」


「14年前で17歳だから…」


「31歳」



「31歳で、14年前の、

高校生の時に付き合ってた人を想ってるなんて」


「それはもう少女マンガの世界」


「え?」


「31でそんな純情な気持ち…」

「宝くじ当てるより生存率低いわよ」



「男の人ってね、

割と『過去の恋愛』を引き摺る人が多いんだけど」


「女の人はどんどんリセットして、

前を向いて恋愛をしてる人が多いの」



「『好きな人が亡くなる』、そのショックは相当なものだと思うから、

何年かは本当に孝くんが心の中にいたとは思うんだけど」



「人間、長く生きれば生きただけ、

いろーんなことがあるもんなの」



「その寂しさや辛さは、

『過去の思い出』だけじゃ到底乗り越えられないものなの」


( ゚ ρ ゚ )ボー



「って…


文人には早すぎたか 苦笑」



「ゆずきちゃんは…大丈夫そうね」



「あ」


「はい」



「わたし『夢見る夢子ちゃん』な性格ではないので、

それはないだろうなって…漠然と思ってました」



「それで花純さんは、


「『孝くん』を引き留めてるのは、

今の先輩の、生活環境に関係してるかも」


って感じたんですね」


「うん、そう」



「かおりぃー!」
「もう降りてきて大丈夫よー!」


「はーい!」



とん とん


とん とん…



( ゚ ρ ゚ )ボー


     「なんかまたお兄ちゃん、フリーズしてる」



「文人も二階行った方がよかったかも」

「ふふ 笑」




「それでひとつ提案があるんだけど」


「はい、なんでしょう」



「今から『かなやま』さんのところへお邪魔するのは…

さすがにどうかな、と」


「あ、もうこんな時間!」



「なので皆さん、今日は泊まってらっしゃいな」

「え!?でも…」


「それとも皆さん、なにかご用事がありまして?」


「いえ、特には何も」

「わたしもありません」



「折角皆さん、『目的地付近』までたどり着いたんですから」




「それに文人のことだから…


「ん?」


『かなやま』さんのお宅に伺ってからの事、

何も考えてないんでしょ」


「ゔっ(; ・`д・´)」



「服はラクな格好に着替えて」


「私はかすみさんの、文人はゆずきちゃんの、

かおりはゆあちゃんの部屋着を用意してあげて」


「はーい」


「御意!」


「さすがにパン…下着はお貸しするもんではないので」

「じゃあ女子だけでモール行こ!!」


「ゔっ(; ・`д・´)」


「お父さん、そのうち帰ってくるから」

「男同士の話でもしてなさい」


「ぎ、御意…」



     「結愛ちゃん、行こ!」


         「うん!」



カチャッ



キィ~


「お母さん疲れちゃったから、お夕飯も買ってくるわ」

「文人、なんかリクエストある?」


バタンッ

「ユーリンチー以外でしたら!!」


「じゃあおふたりも行きましょ」



「あ、はい」


「お母さぁん、車のカギぃ!」


      ピッ



カチャッ

「あ、それとゆずきちゃん」

「はい」


「あとでお父さんに一節歌ってもらいなさい」

「え?」



「文人の上をいく『ねちっこさ』だから 笑」


キィ~


       「はは…苦笑」





バタンッ






「そしてフントはハウスで待て、なのでした…」




ブーーン!!



「くぅーん…」


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