Episode.3



「よし!海行く、海!」


「( ̄д ̄)エー」


「もう飽きちゃいましたぁ…」



「愛菜ちゃん、もう飽きちゃったか 笑」


「最初の頃はしっぽ振って、

「行きます!行きます!」言うてたのにね~」



「だって潮風でベタベタになるし、

靴の中だってす~ぐ砂だらけになるし…」


「たまに行くからいいんだっていう、

暢子さんが最初に言ってたこと、わかってき…


「あ!」


「どした急に 笑」


「電波!」


「くすっ 笑」


「でんぱ?」



「灯里さん、海のほうが電波繋がりやすいんですね!」


「ん?」



「ああ~」


「暢子、『田舎のスマホ』の話したんだね 笑」


「はい 笑」



「ちぃっとばかし惜しいかなぁ」

「え!?」



「海行って再起動させてる…ってほうが近い」


「再起動…」


「灯里さんは、時間や場所を問わずに、繋がる時は繋がるから」

「一度再起動させて、繋がりやすくしておく必要があるのよ」


「スマホって何かあった時、とりあえず再起動すれば、

大抵の問題は解決するでしょ?」



「確かに!」


「わたしのスマホ結構前んなんで、よく再起動してます!」



「愛菜ちゃんも再起動しに行く?」


「遠慮しておきます!」



「わたしのは、海行くと不具合が出るんで!笑」


「そか 笑」

「暢子は行くでしょ?」


「もちろん^^」


「よし!じゃあレッツゴー!」


「愛菜ちゃん、留守番お願いね」


「はい!」



ガチャッ!


キィ~


「いってらっしゃーい!」



バタン!








ざざ~


 


「ゔ~!気持ちいい~!」



 「今日は『波待ちのラッコ』、少ないね~」

ざ~



     「ふふ 笑」


「ん?」



ざ~


「あのデザインが上がった時、先方さん、

みんなキョトン?ってなったのを思い出して 笑」


「「なぜラッコ!?」って感じで 笑」


ざざ~ 



「だって出てきちゃったんだもん」


「でも、カタチにして評判良かったんだからいいじゃん 笑」


「それはそうですけど^^」



「あ」



ざざ~


「あそこで写真撮ってる人…」


「知り合いですか?」



「ほら、愛菜ちゃんがイケメンって言って

隠し撮りしてきた」


「ああ、お弁当屋さんの新人さん」



ざ~



「やっぱ価値観って人それぞれだね」



「…アタシの目だと、イケメンとは認識しない 笑」



「暢子は…


興味ないもんね、イケメン 笑」



「興味は…ないです 笑」



「だって外見って、

男女問わず経年劣化するじゃないですか」

「経年劣化 爆笑」


ざざ~ 




「あと私、物を愛でる気持ちもあまりないんで」


「もし高い器とか持ってても、がっつり使っちゃうと思います 笑」

「食器なのに使わないって、なんか可哀想じゃないですか」



「なるほどぉ」

「だから暢子、スマホは裸族なんだ」



「なんだかケースって、過保護に思いません?」

「それだ!」


「え?」

「さすが暢子、そのアイデアもらう!」

ざざ~


  「暢子はまだここにいていいから!」


「え?」


「サンキュー!」




行っちゃった



「再起動超速い、今日 笑」



ざ~




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