Episode.4



ざざ~


1人で海眺めるのって、随分久しぶりかも




さすがに日が暮れるまではいられない、か



「「再起動遅すぎぃ~」とか言われそう 笑」


ざ~




「…ふぅ」



「あの…すみません」



「あ」


「はい」


ざざ~  


「後ろ姿に惹かれて、思わず

写真を撮ってしまったんですが」


「あ、私のですか?」



「はい」


「なかなかよい感じに撮れたので…

インスタとかにあげても大丈夫でしょうか」


「顔さえ写ってなければ全然」


ざざ~


  「ありがとうございます^^」




「ちなみにこんな感じなんですけど…」



「うわっ、凄い…」


「プロの方が撮ると全然違うんですね」



「いや、プロっていうわけではなくって…

撮りたいものを撮ってるって感じなんですけどね」

ざ~


「そうなんですね」



「…なんか私じゃないみたい」



「インスタってやってますか?」


「はい、アカウントだけですけど 苦笑」



「僕のアカウントはこれで」


ざざ~


「落合、健治さん…」


「はい」



「他の写真も凄いですね…」




じーっ




「この写真って、海外かどこかですか?」


「いえ、それは…千葉です

ざざ~ 

「千葉!?」



「全然千葉に見えない…」



「フォローさせてもらってもいいですか?」


ざ~


「是非ぜひ」


「多分撮らせてもらった写真、

今日中にもアップすると思います」



  「では、ありがとうございました^^」


「こちらこそありがとうございました^^」


ざざ~




じーっ




「あ、この写真好きかも」


ざ~




「ふふ^^」




ざざ~ 









ガチャッ!


キィ~

「ただいまぁ」



「あ、おかえりなさーい」


バタン!



「灯里さーん、
暢子さん戻ってきましたぁ!」

「暢子、再起動遅~い!」


  ガチャッ!


「ちょっと色々ありまして 苦笑」


「「ちょっと色々」って、意味わかんない 笑」



  「愛菜ちゃんわかる?」


「わたしにもわかりません!笑」




「…落合さんに写真、撮ってもらっちゃいました」



「落合さん?」




「・・って



まさか!」



こくり


「え、なんですかなんですか!?」



「愛菜ちゃんがイケメン言うて隠し撮りした人に、

暢子、写真撮ってもらったんだってさぁ」


「えーー!!」

「なんですか、その急展開は!?」


「っていうか既に名前まで知ってるなんて…」



「あぁ〜今日一緒に海行っとけばよかったぁ~」



「…言う程そんな急展開? 笑」


「いや、私がボーッと海を眺めてる、後ろ姿を撮ったみたいで」


「「インスタにあげてもいいですか?」って

訊かれたので、「大丈夫です」って答えて」


「素敵な写真が多かったから、フォローして


…くらいです 笑」


「うん」



「アタシからしたら想定の範囲内だけど…


ちらっ


愛菜ちゃんからしたら、結構な急展開みたいよ 笑」


「わたしもインスタ、フォローしたいです!」


「あ、うん」



「ふーん、あの人『落合健治』っていうんだ」


「すごーい!」



「えっとoccho_photoっと…」



「愛菜ちゃんもインスタやってるんだ」


「わたしのは日々の記録みたいなもんで



…って」




「新規投稿きた」



「うわー!ホントに暢子さんが写ってる!」


「どれどれ」



「…なんかずるいです!」


「ほほぅ」


「後ろ姿だけでも充分魅力的に写ってるね」


「ってか後ろ姿だから魅力的に見えるのか?…」



「明日からわたし、パシり志願します!」


「いい男ってのは、追いかければ追いかけるほど、

自分を見失いやすくなるからね」


「見失わない程度に頑張んしゃい、若人よ」


「はい、ありがとうございます!」




「んで」



「間近で見た愛菜ちゃん推しの感想は?」


「え?」



「あー…えーっと。。」




「写真に見入っちゃって、ちゃんと顔は見ませんでした 笑」



「さすが暢子 笑」

「チョーもったいない!」


「…で灯里さんの、海行った成果は

「もうホント暢子に感謝!」


「さっきもうデータ送った」

「えっ、もうデザイン終わってたんですか!?」


「うん」


「やっぱり灯里さん、すごい…」


「ふふーん^^」


「これがみんなのお給料になってるんだから」

「感謝しなさいよぉ♪」


「ははーぁ!」

「いや、殿じゃないし 笑」


「ふっ 笑」


「ほらぁ、暢子に鼻で笑われちゃったじゃん 笑」



「いや、2人のやりとりが面白いなあって^^」



「あ」




   バタバタバタ…!



  バタンッ!



「また繋がったみたい^^」


「ホンットそんけーしかない…」



「2人とも~」

「今日はもうあがっていいからねぇ~」



「はーい、ありがとうございます!」



「私は事務処理のほうやってから帰るから、

愛菜ちゃん先帰っていいよ^^」


「あ、はい!ありがとうございます!」




「お疲れ様でした~!」



「は~い」



ガチャッ!


キィ~



バタン!




「暢子まだいるなら、

あったかいお茶とか入れてくれると

嬉しいかなぁ~」



「はーい、了解です」



キュイッ ジャー



キュイッ


カチッ




じーっ




「ふふ^^」



「さっきの写真眺めて

ニヤつかないでよぉ~」



!?
「そ、そんなことは…」



ぶつぶつ…



「モードに入っちゃった 笑」




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