Episode.4



「わたし、ちょっと一度、ひと息つきた~い」



「翔、希に『観音様』の話していいよ」


「やったぁ!」



「あのさぁノンってさぁ、

高校の時から結構なんでもお見通しな感じでさぁ」


「うんうん」


「なんかノンに言い当てられてるうちにさぁこう、

観音様の手の上で諭されてる、孫悟空みたいな気持ちになんだよ」


「うん」


「それで?」



「「それで?」って…そんだけだけど?」


「話し下手かよ!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」


「あ゛?」



「それはね、ノンが『なんでもお見通し』なんじゃなくって、

森田くんが分かりやすいだけ」


「え?」


「森田くんの、思ってることが直ぐ顔に出るのは、

ウチらの学年の女子の間では、周知の事実だったし」



「も~かけるぅ」


「ひと息もつけなかったじゃない」


「俺は女みたいにお喋り好きじゃないんだから」

「俺に託す方が悪い」


「はいよ、お先にブレンド2つな」


「やったぁ^^」

「マスター、ありがとうございます♪」


「希ちゃんとのんちゃんのはもうちょい後な」


「はーい」


「でその後にワッフル焼くから」


「ごめんな、あんちゃん」


「あ!全然オッケーです!」



「ねぇ」


「ん?」


「希の『いつもの』ってなに?」



「私のもね、ブレンドっちゃあブレンドなんだけど」

「私好みにカスタマイズしてもらってるやつなの」


「へぇ~、そうなんだ」


「あと、ここで仕入れてない銘柄のも混ざってて」

「それは私のほうで仕入れて、ここに持って来てるんだ」


「そうなんだ」

「結構こだわりがあるんだね」



「挽き方とか専門的な事は逆に、マスターみたいに、

コーヒーを知ってる人に任せちゃったほうがいいんだよね」

「そこは下手に素人が手を出しちゃいけない領域」


「そうなんだぁ」


「だからここにずっと通ってるっていうわけ」


「それだけマスターの腕を信頼してるってことね」

「そうゆこと」



(ΦωΦ)フフフ…



「なんだよ、そのドヤ顔は」



「会話のキャッチボールの、お手本を見せてあげたの 笑」

「あは 笑」


「翔にはお手本見せても無理だよ」

「あ、そっか」


「なんかすげぇ言われよう…


ノン、へるぷ(; ・`д・´)」


「んー…この流れは、私も助けは出せない 笑」


「ついに観音様にまで見放された 笑」


「孫悟空、筋斗雲に乗って逃げるのか!?」


「呼べねぇし、乗れねぇし 笑」



「森田くんが孫悟空ってことは…


川上くん達が、沙悟浄と猪八戒か 笑」



「どっちがどっちだろ 笑」

「そりゃ直ぐ分かるでしょ 笑」


「いや、実はね、川上くんも結構「猪八っかって」きてんだよ 笑」

「まさかの『ダブル猪八戒』 爆笑」


「そだ!」

「ノン、川上くんがさぁ結婚して

「結婚して子供いるのは知ってるよ?」


「そうだった…相棒ルートがあったんだ…」


「お!なんかよく分かんないけど、取りあえず助かった 笑」


「今のは、希が勝手に自滅したね 笑」



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