5−21



「いただきまーす」


ぱくっ



もぐもぐ


「なんか…」


「フツーに美味いな、これ」


「でしょー♪」


もぐもぐ


「でもこないだのは、必要なプロセスだかんね」


「それは散々陽介さんに言われたから、

みんな頭では分かるんだけどね」


もぐもぐ


「まだどうしても脳みそに寄り道しちゃうんだよぉ」



「後天的なもんは、100%無意識ってのは無理だから」

「寄り道の回数とか時間を、出来るだけ少なくしないと」


「でも、去年から比べたら、結構いい線いってるでしょ?」


「うん」


「だんだん音が音符に見えなくなってきてるし」

「画伯のイメージの、再現スピードも早くなってきてる」

「でしょー♪」


「『間違い探し』みんな超速くなったもん 笑」


もぐもぐ


「でもいっちゃんさん、よく一人暮らし許してくれたね」


「それはウチのってより…」

「拓也のほうの親が変な心配をしてたっちゅうか」


「変な心配?」



「ヤロー2人がさ、1年以上一緒に暮らしててさ」

「文句ひとつ言わずに、正月とか、2人揃って帰ったりするからさ」


「そっちに目覚めちゃったらどうしようって 苦笑」


「そうだったんだ 笑」



「でも生活面は、結構拓也さんに依存してた部分はあったでしょ」


「んー…まぁ」



「あいつ、奥さん並みに飯作ってたからなぁ」


「私実家だから、そうしょっちゅう来てあげられないからね」

「カップ麺ばっかだと不健康になるよ」


じーっ


「あっち見なくていい 苦笑」





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