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カランコロ~ン♪


「いらっしゃいませ^^」






カチャッ

…案外飲めんな


いや、むしろ美味いとさえ感じる…


俺も大人の階段登れてんだぁ~



「岡崎、陽介さんですか?」

「あ、はい!」


「坂口すみれです^^」


「あ、はじめまして」


   「なんか急にごめんなさい」


「いえいえ」


「いらっしゃいませ^^」


「あ、わたし今日は直ぐ出ちゃうんで」

「ここの会計、坂口でツケといてください^^」


「かしこまりました^^」

「なんかすんません」

「いえいえ!」


「お呼び立てしたのはわたしのほうですし」


「コーヒーくらい奢らせてください^^」


「じゃあ、ゴチになります^^」



「ちなみに何をお飲みになってたんですか?」


「あ」


「『El Salvador』です!( ̄+ー ̄)」

「くす 笑」

「陽介さん、スペイン語できるんですか!?」


「いえ」

「この発音だけ、お店の人に教えてもらいました 笑」


「そういうことでしたか 笑」



「じゃあわたしからも、それっぽく聞こえる

…ポルトガル語をお教えしましょう 笑」


「笑」



「『Obrigado』^^」



「オブリガートって、音楽用語にありましたよね」


「音楽用語のほうはイタリア語、だそうです^^」

「ほーぅ」



「…『Obrigado』」

「そうです^^」


「ちなみにその『Obrigado』ってのは…」


「ありがとうっていう意味です^^」

「なるほどぉ」


「ってことは、すみれさんが使うときは

『Obrigada』のほうですね^^」


「『Obrigada』…」



「スペイン語やポルトガル語って、男性語と女性語があるんで、

すみれさんの場合、女性語の『Obrigada』を使ったほうが自然なんです」


「イタリア語に「オブリガート」があるのも、

スペイン語もポルトガル語もイタリア語も同じ

ロマンス語群なんだからだと思います」


「『ロマンス語』なんてあったんですか!?」



「ラテン語の口語が起源とされてる言語なんですよ」

「ロマンス語群に属するロマンシュ語は、今もスイスで使われてますよ」


「陽介さん、色々知ってらっしゃるんですね」


「大学で言語学も学んでるんで」

「そうなんですね!」



「じゃあいろんな言語を喋ったりできるんですか?」

「いえ、日本語以外は全く 笑」


「そうなんですね 笑」



「あれです、

英文法の先生が英会話できないのと一緒です 笑」


「分かりやすい喩えです 笑」



「光一さんの言う通り、面白い方なんですね^^」


「なんで今は…


『El Salvador』と『Obrigado』しか、


ちゃんと発音できません 笑」


「くす 笑」



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