ガタガタッ

「え！嘘！答辞、未希がやるの！？」

「意外でしょ＾＾」

ガタガタッ

「え、いや、あの」

「いいのいいの、無理に話を合わせなくっても」

「やる本人が1番意外だって思ってんだもん 笑」

ガタガタッ

「ほら３年生 モタモタしないの！」

がやがや

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　がやがや

「なんで未希がやる事になったの？」

「理由はよくわかんないんだけど、陽子ちゃんに勧められて」

がやがや

「あたしそういうのやった事ないから、

逆にやる気になっちゃったのよねぇ 笑」

「そうだったんだぁ」

「お前ら！遊びじゃないんだぞ！！」

びくっ！

「！！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ズズズズッ

　　　　　　　　　　　　　　　　　「ほんのちょっとした遊びだよ。」

ずずっ

「・・・」

ドクドクッ ドクドクッ…

ズズッ

　　　　　　　　　　　　　　　　ズズズズッ

　　　　　　　　　　　　　　　　「いい子だ。」　　　　　　　

　　ずっ

　　　　　　ひそひそ

「でも何話すかまだなんも決めて‥な

「ちょっと智子ぉ、大丈夫？具合悪そうだよ…」

ひそひそ

はっ！

「…先輩との事で」

「アップダウンが激しかったから、かも 苦笑」

「カズ先輩だっけ…智子頑張ってたもんねぇ」

「「ミラクルだー！」ってみんな結構話題にしてるよ 笑」

「そうなの？なんか恥ずかしい…」

「おんなじ大学なんでしょ？」

「良かったね、智子＾＾」

「うん、ありがとう…」

「やっぱ智子、いつもと感じがちが

「ちょっと外の空気吸ってくる！陽子先生にはごまかしといて！」

「ちょっ！」

「阪口さん！答辞やるんだからこっちに待機でしょ！」

「はい、了解でーす！」

「と～も～こ～っ！」

こそこそ…

ガラ、ガラガラ…

「…ふぅ」

「屋上行こっかな」

　　　　　ガチャ、ギィィィィィ…

　　　　　やばっ、先客がいた…

　　　　　「そーっと」

　　　　　ギィィィィィ…

「逃げなくても大丈夫だよ」　

　　　　　ギ…

「寺田智子さんだよね、３年２組の」

　　　　　ギギィ…

「えっと…」

「あのぉ…」

「私たち、知り合いでしたっけ？ 」

「僕は青野奏多」

「これでもう僕等知り合いだよ＾＾」　

「へ？」

「僕も同じ３年で、君と同じく…体育館から逃げてきたんだ 笑」

「ほら上履きの色おんなじでしょ？＾＾」

「えっと…」

「でも卒業したら、それぞれ別の場所に行くもの同士」

「…だから『今だけ』の知り合い、かな」　

「『今だけ』の…」

「そっ＾＾」

「だから…」

すーっ はぐ

「！？」

　　　　バタンッ！！

きゅっ

「大丈夫、こうしてるだけだから」　

「卒業したらここにはもう来なくなる」

「だから」

「その胸に抱えてるもの、

全部ここで吐き出しちゃいな」

「！！」

「そしたらそれは、

ぜ～んぶ『過去』になるから」

「・・・」

「‥涙はね、

流していいもんなんだよ」

「…う」

「うわぁああああん｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡」

なでなで（よしよし）

「私、ぐすっ、みんなが心配するから」

「ぐすっ、自分の中に閉じ込めとこって…」

「うんうん」

なでなで（よしよし）

「でも全然ダメで、ぐすっ」
「ぐすっ、どうしたらいいか、全然わかんなくって…」

「うんうん」

「無理して全部をコトバにしなくても大丈夫だからね」

「辛い気持ちや悔しい気持ち、

悲しい気持ちは

ぜんぶ涙で洗い流しちゃお？」

なでなで（よしよし）

「うわぁああああん｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡」