エピソード30
「でも意外だなぁ」
「舞さんがホラー好きだとは思わなかった」
「…そう?」
…「ちょっと…早苗ぇ~ 悪い冗談やめてよぉ」 シーーーン
「ねぇ、早苗ぇ! 隠れてないで返事してよぉ‥」
「…これは観に行けなかったんだけどね」
「ホラーは割とよく観に行くのよ」
「ふーん、そうなんですね」
「ねぇってばぁ!」 ガタガタッ! 「?!」
シーーーン「…早苗? …そこにいるの?」…
「じゃ次は一緒に映画館行こうよ!」
「いいですよ^^」
「やった♡」
「でも女の人って、ホラー苦手な人が多いってよく聞くけど」
「どうだろう…」
「半分は本当に苦手で…
半分は『か弱いアピール』ってやつじゃない?」
「そうなのかぁ」
「女の本性は、下手なホラーより怖いかもね 笑」
「うわぁ~ 苦笑」
「あ、ちょっと止めて のど渇いちゃった」
ピッ
「悠斗くんもなんか飲む?」
「うん」
「えっとねぇ、
ジャスミンティーと炭酸水と…
コーラがあと少し残ってるって感じかな」
「じゃ、そのコーラ飲んじゃいますよ」
「りょうかーい^^」
ブブブブ… ブブブブ…
ブブブブ… ブブ
「母さん、どうしたの?」
「・・・」
『…ぐすっ 悠斗ぉ…』
「どうしたの!?何かあった!?」
ピッ
「・・・」
『わからないの・・』
『わからないんだけど、さくちゃん、帰ってくるなり
急に部屋に引きこもっちゃって、ずっと泣いてて…』
『…ぐすっ』
『呼んでも返事もしてくれないし開けてもくれないし…』
『悠斗ぉ、こういう時お母さん…どうしたらいいの?』
「父さんは!?」
「・・・」
『ずっと留守電のままで…メッセージは入れたんだけど…』
『全然連絡なくって…ぐすっ』
「チッ…っはあぁ」
『悠斗ぉ、どうしよう…』
「今から直ぐそっち帰るから!」
『…悠斗ぉ』
「母さんも落ち着いて」
「・・・」
「深呼吸して待ってて」
「わかった?」
『…うん』
「じゃ後でね!」
『…うん』
「…何かあった?…」
「…舞さん」
「車出してもらってもいいですか?」
「・・・」
「うん、わかった」
「下のロビーで待ってて」
「駐車場から車出すから!」
「はい、ありがとうございます!」
カチャッ
キィ~
バタンッ!
「スゥーーー……ふうぅ」
キィン
スーーーッ
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