エピソード31



キィ… コォ…





キィ… コォ…





キィ… コォ…



「…ふぅ」



キィ… コォ…

  


     

「はい、これ飲んであったまりな^^」

キィ…


「え?」

「かなた…くん!?」


コォ…



「一応、そうだけど? 笑」





「…いつから…いたの?」



「ん?」

「今さっき、だよ^^」


ほっ


「あとこれ」


「ん?」



「『ガトーショコラ』、コンビニのだけどね」


「?」


「たくさん泣いて発散すると、甘いもんでも食べたくなるでしょ」

「!?」


「来たのはさっきだけど…」

「その顔見たら直ぐわかるよ」





「…ふぅ」




「最初ここで会ったときも、

顔ぐしゃぐしゃになっちゃってたもんね、私 苦笑」



「…なんかかなたくん、ヒーローみたいだね」



「ヒーロー?僕が?」



「うん」


「変身できそうに見える?」


「ふふ 笑」


「そういうのじゃなくって」


「じゃぁ」


「デパートの屋上にいそうな感じ?」


「だぁかぁらぁ 笑」


「そういうのじゃないって言ってるでしょ」


「はは 笑」



「落ち込んでる時に目の前に現れてくれて」


「いつの間にかこうやって笑顔にしてくれる…」



「最初会った時もコーヒー渡してくれて…」



「フツーなら「何こいつ!?」とか思うんだけど 笑」


「うん 笑」



「何故か不思議と安心感みたいなものを感じて」



「私の話を聞いてくれて、話も色々してくれて…」




「あの時は頭ん中ゴチャゴチャだったから、

そんなふうに思う余裕すらなかったんだけど…」



「ヒーローみたいだなぁって そんなふうに今は思うんだぁ」





「コーヒーとガトーショコラの他にね」



「ん?」


「渡したいものがあるんだ」



「私に?」


「うん、栞ちゃんに」



ガサゴソ…


「はい、これ」



おたんじょーびかい しょーたいじょう


藤森さなえ

    

日時:5月6日(日)15時から

場所:藤代市霞ヶ丘3-1-14兵藤ビル2階 (株)シダル


プレゼントごふよー



「これは?」


「僕のおともだちのお誕生日会^^」



「おともだち…」



「うん^^」




「分かり易く言うとねその、藤森さなえちゃん」


「さなちゃんも『ヒーロー』なんだよ」



「え?」


「空は飛べたかなぁ…」


「ん?」


「ん?」



「失笑」

「もうどっからホントだかわかんないよぉ 笑」


「行ってみるといいよ」


「そしたらどこまでホントだかわかるから^^」



「…ってことは空、飛べるの?」


「どうだろうね^^」


「笑」



「…かなたくんも、行くの?」


「それもどうだろう…」



「行ってからのお楽しみ、かな ^^」

「えー」



「これは頑張ってる君への、

『プレゼント』みたいなもんかな」




「ふーん…」



「じゃぁ会ってみよっかなぁ」


「その『ちっちゃなヒーロー』に^^」




「よかったね」



「ん?」


「笑顔を取り戻せて」


「…そだね^^」



「そろそろ行くよ」



「怒り狂ってる片瀬くんが『お前かー!』って来る前に 笑」

「!?」




「もしかして…見てた?」



「ううん」


「見てないけど…」



「さっき『ナマハゲみたいな片瀬くん』を見かけたから 笑」


「ウケる 笑」

        

         「じゃあね」



「うん、ありがと^^」







キィ……




コォ…




キィ…




おたんじょーびかい しょーたいじょう


藤森さなえ

    

日時:5月6日(日)15時から

場所:藤代市霞ヶ丘3-1-14兵藤ビル2階 (株)シダル


プレゼントごふよー



コォ…



「…ふふ^^」



キィ…




コォ…



「♪~」



キィ… コォ…





キィ… コォ…





キィ… コォ…



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