エピソード50



チンッ


「さくちゃーん!」
「レンジのやつこっち持ってきて~!」


「はーい」



「手ぶらじゃアレだったんで私、

食べ物の差し入れ持ってきました^^」


「寺田先生、お気遣いありがとうございます」


「今は私、『営業時間外』なんで 笑」

「『先生』じゃなく下の名前で呼んでください^^」


「そうですね、分かりました^^」

「智子さん、ありがとう^^」

「ふふ^^」


「なになに?」

「まぁおしゃれ~!」


「ディップソースとクラッカーです^^」


「あらま!智子さんにはバレちゃったのかしら!笑」

「?」


ひそひそ

「実はお酒も用意してるんです^^」

「後で大人だけで乾杯しましょ!」


「くす 笑」

「はい 笑」


「あ!私も差し入れ持ってきました!」



「あら、しおりちゃんにまで気を遣わせちゃったみたいね」

「ありがとう、しおりちゃん^^」


「いえいえ、せっかくの誕生日会ですもん!」


「なにかしらね…って

随分立派な箱に入ってるのね」


「『真鴨ロースの煮込み』です♪」

「うわ、すごっ」    

「これ超美味しいんですよ!」


カチャッ

キィ~

「『鴨屋さんの真鴨』ね、久しぶりかも」


「!」
「…!」

パタンッ

「もしかして藤森さんとしおりちゃんって

お嬢さま、な‥の・・

「あっ」    

「否定はしません^^」


「…って」


「うっそ!ホンモノ!?」


「とうちゃーく!」

「うふ 笑」


「さなちゃん、ありがとう^^」

「んふふ~^^」






「藤森さん!」

「はっ!」



「お忙しい中わざわざすみません 汗」

「さなちゃんのお母さんですね」


「はじめまして、何森遥架です^^」


「藤森麻衣です 汗」


「さなちゃんに招待されたんで…来ちゃいました♪」

「ありがとうございます 汗」



「そんなにかしこまらないでください、まいさん」

「たまたまやってる仕事が女優ってだけで^^」


「逆に私のほうが

「ちゃんとしなきゃ!」って緊張しちゃうんで 笑」

「そうですよね、すみません…」



「あとこれ、バースデーケーキ^^」

「さなちゃん、

何森さんにケーキお願いしてたの!?」


「いえいえ!」
「私が勝手に用意したんです^^」


「さなちゃん、

おねーちゃんのとっておきのケーキだから」

「楽しみにしててね♪」


「んふふ~^^」



「えっと、冷蔵庫は…」

              タタタタターッ!!          

                        

     

「あ、こっちです」   

♪~

「ありがとう^^」



「藤森さん」

「藤森さん!」


                             「!」







「びっくりする人来ちゃったわね…」

「ですね…」


「自分の娘ながら、人脈の広さに驚いてます…」


「…桜ちゃん

あとでお喋りしましょ^^…」

「…あ、はい^^…」

「ハッピバースデートゥーユー♪」


「桜ちゃんのこと知ってる感じみたいですね」


「お知り合いなんですかね?」

「ど、どうなんでしょ…」


「さくちゃん、今輸入雑貨屋さんで働いてるから、

そこでお客さんで来た事があるのかも!」




               「ふぅ」    



「荷物向こうに置かせていただきますね^^」       

「あ、はい!」



                   タタタタターッ!!




「あっ、あの!」


「ん?」



「私こないだ『きみあす。』観に行きました!」


「ありがとう^^」



「あっ、あと!」

♪~

「ん?」



「言われ慣れてらっしゃるかもしれませんけど…」

「…遥架さん、ホントお綺麗ですね!」


「ふふ、ありがとう^^」


「そういうのってお世辞はそのまんまスルーしちゃうけど」

「お世辞じゃなしに言われるのは、いつでも嬉しいものよ♪」


「特に同性から言われるのって^^」

「くす^^」


「ハッピバースデートゥーユー♪」

「それに…


「?」


あなたも充分チャーミングよ♪」

「そんな…照」



「…でも、女優はあまりオススメできないわ」

「え!?どうしてですか?」


「…恋のひとつもしづらいから… 笑」

「え!?」



「…じゃぁあのウワサはホントだったんですか?…」

「さあてどうかしらぁ( ̄▽ ̄) 」

「えー 笑」



「えっと…」



「あ!栞です!秋葉栞です!」


「しおりちゃんともっと仲良くなって、

しおりちゃんのこと信頼できたら…教えてあげてもいっかなぁ~♪」

「ホントですか!」


「遥架さんの信頼をゲットできるよう頑張ります!」

「あは 笑」


「しおりちゃんって面白いコね^^」

♪~


「…ID交換とかする?」

「ホントですか!」


「でも他の人に言ったり教えたりはなしだよ♪」

「大丈夫です!私、クチかたいほうなんで!」


「『ほう』なんだぁ…」

「どうしよっかなぁ…( ̄▽ ̄)」

「あ」


「クチはかたいです!」
「瞬間接着剤に勝てる自信あります!」

「あは 笑」


「やっぱりしおりちゃんって面白いコだね^^」



      「他のかたにもご挨拶してくるから、


             戻ってきたら交換しよ♪」


「はーい!^^」




「はじめまして、

私さなえちゃんの通う小学校で先生をして

「学校の先生!?」


「?」


「お綺麗なかただったので…

同業者かと思ってました^^」

「え!?」


「そんなこと…」




「‥寺田、智子です 恥」


「私、お世辞言うの苦手なんです^^」


「それに先生よりブサイクな女優さんもたっくさん…」



「今のはオフレコで 笑」

「ふふ、はい 笑」


「お名前でお呼びしてもいいですか?」

「はい、勿論!」


「じゃ『ともこさん』ってお呼びしますので、

私のことも下の名前で呼んでください^^」


「はい、遥架さん!」

「よろしくどうぞ、ともこさん^^」


「はい!^^」



「ハッピバースデートゥーユー♪」



「あは 笑」


「さなちゃん、そのおうた歌うの

まだ早いんじゃない?」


「れんしゅーしてるのー」

「そか 笑」



     「じゃあしおりちゃん、ID交換しよっか^^」


「あ、はい!^^」






「…さすが女優さんね」


「はい、さすがです…」



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