эпизо́д.38-4




「あ」



「それで、石本さんの頭の中で、

パパパーッて繋がったみたいで」



「「フントくんを『ウチで』雇ったらいいんじゃないか」って」

「ウチで!?」



「そのフントくんって男の子、

『高嶺の花カウンター』が正常に機能しなくなる出来事が

なんだか栞ちゃんとあったみたいで」


「なにがあったんですか?」


「いや、その詳細は聞いてなくって」



「『元アイドル』だった石本さんが言うには、

「それくらいの反応をしてくれる人が側にいると、

気持ちの緩みが生じにくい」んですって」



「ふーん」



「あと、栞ちゃんに、正式に仕事の依頼とかが入ると、

人手的に足りなくなるじゃないですか」


「確かに」



「でも逆に常に一緒だと、

気持ちが固まっちゃうんじゃないですか?」


「さすが悠斗くん」

「女の子の気持ち、熟知してるねぇ」


「ありがとうございます^^」



「あれ?仁美さん」

「わたし今…


って」


「この流れはもう止めとこ 笑」



「そこは私が栞ちゃんに付いて、

そのフントくんが悠斗くんに付いて」


「なんか名前も似てるし 笑」


「はは 笑」



「でもそれだと今度は…

悠斗くんが緩んじゃわない? 笑」


「それは大丈夫です」


「僕、今は…ひと筋なんで♪」


「そか 笑」



「それで石本さん的に大発見なのは他のことで」


「他の事?」



「もしかしたら美咲さんの『イケメン好物』と

フントくんの『高嶺の花カウンター』、

近い機能なんじゃないかって」




「あ」




「そっか」


「でも美咲さんは僕に

「ボッ」とはなりませんでしたよ 笑」


「なるわけないじゃなーい」


「なってたら今、相当なダメージ負ってるわよ、わたし」


「そっか 笑」



「私は自分のストライクゾーンじゃなくって、

『イケメンを見抜く』スキルが備わってるの」



「なーんだ…」


「僕、美咲さんのストライクゾーンじゃないんだぁ…」



「い、イケメンが拗ねるのは反則!(; ・`д・´)」

「ちょっと照れてる 笑」


「仁美さん、そこはスルーしてよぉ~ 照」



「自分のストライクど真ん中が間近にいたら、

わたし多分心臓吐いちゃうかも」


「まぁ…それは確かにそうかも 笑」



「元々はウチ、美咲さんの…そのスキルで始めたじゃないですか」


「だから栞ちゃんがウチに入ったのも、寧ろイレギュラーですし」

「これを機にフントくんのカウンターを使って、

女性枠を開拓するのもアリですし」


「『高嶺の花』って言わなくなった 笑」



「だって『高嶺の花カウンター』って

意外と口が疲れるんだもん 笑」



「それにフントくんが加わっても、

男性メインの比率はこれまでとは変わらないと思うので…」


「石本さんのほうにも回してくれると、win-winで嬉しいかなぁって」

「そう仰ってました」



「石本さん、さすが元アイドルだね」

「芸能界で生き残る術を心得てらっしゃる」


「ですね」



「そしてそれに同意できる、

悠斗くんを見つけたわたし天才!って今なってる 笑」


「爆笑」


「さすが『女社長』!」



「だからぁ…


その呼称で呼ばないでって言ったでしょ (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

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