эпизо́д.40-1



「でもなぁ~…」



「ん?どうしました?」


「わたし、飲み会でフント君の事、

一度断っちゃってるんだよねぇ」

「え!?どうしてですか!?」



「そのフントくんもね、アカペラのサークル入ってて」

「歌、チョー上手いんだけど」


「そこで、『けど』? 笑」




「ムッチャクチャ昭和歌謡とか演歌の歌い方でね、


それこそその『さとみ』ちゃんがね、

お母さんのコネクション使って

振り付け師に踊りのレッスンしてもらって」


「振り付け師 笑」



「本番なんか、

温泉とかにあるうっす~い浴衣を、みんなで着ちゃってさぁ」


「花笠みたいな小道具まで用意しちゃって」



「その時だけ一気に年末感増して、異様に盛り上がったんだから」


「大学生なのにハイクオリティ 笑」


「ホンット、それ!」



「だからね、モデル事務所のウチじゃあ、

その路線はちょっと…って感じで断ってたんだ」


「なるほど、『表に出る側』で断ってたんですね 笑」



「あとね、その『高嶺の花カウンター』ってやつも、


自分のストライクゾーン基準で判断してるから割と偏ってるし、



チョー挙動不審になるから…


マネージャーもちょっとキツいかなぁって思ってる」



「なるほどぉ…」



「芸能界なんて高嶺の、

『お花畑』みたいなものですからね^^」




「悠斗くん」



「『チャラ男になったら契約解除』って、

契約書に書いてあるの覚えてるわよね?」


「わかってますって^^」

「二股とかは…もう卒業したんで^^」


「その『もう』で前科があるんだから 苦笑」


「でもその頃も一線は…

『一応』越えずに耐えてましたよ? 笑」


「仁美さんに『一応』言われた 笑」



「だって私も、美咲さんに監視官役を任されて…

ちょっとヒヤヒヤしてたんだから 笑」


「はは… 笑」



「一線越えたら、即レッドカードだもんね」


「まぁ…


それ食らった人も、


ちょこちょこ知ってはいるんで 苦笑」


「はは… 笑」



「まぁでも、フントくんの件は保留かなぁ~」


「『マネージャー』って話は、フントくんが大学出てからの話だし」

「でもその石本さんの、win-winな話も悪くはないと思うしぃ


…他のなんかが湧いて出るかもしれないし」


「出た、『変態サークル』 笑」


「…変態、サークル?」



「あ」



「あぁ~、仁美さんがバラしちゃったかぁ~ 苦笑」


「ご、ごめんなさい(;´∀`)」


「いいよいいよぉ」

「おかげでヒントは貰えたし」



「?」



「悠斗くん、


詳細はこのエピソード終わってから…




裏でね♪」

「ぷっ 失笑」


「はい^^」



「なので仁美さんは今まで通り、

悠斗くんに付いてて」

「あ、はい」



「栞ちゃんはまだ入りたてだから、

暫くは『挨拶まわり』がメインだろうし」


「そん時も私が付くと思うし」




「・・・」




「時間的に、もうそろそろじゃない?」



「あ、本当だ」



「美咲さんの体内時計、精度高過ぎです 笑」



「『レーコンマ』レベルで合ってるかもねぇ♪」




「悠斗くーん!」



「行くよー!」




「はーい!」



「じゃ行ってきます^^」



「よろしくです^^」




ガチャッ! キィ~




バタン!



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