эпизо́д.42-1




「3の1のぉ…」



「…あった、兵藤ビル」



「おーい、ふたりともぉ〜!」
「あったよぉ!」



「結愛ちゃん、あったって!」


「はーい(。>ω<。)ノ」








「ホントだ、『シダル』って書いてある」


「インターホンは… ない、か」




トントンッ



「すみませーん!」





「はいはーい!いま行きまーす!」




                「はいはい、いま開けますね~」    

カチャッ


キィ~


「はい、なんでしょう」  



「えっと…」



「社長さんはいらっしゃいますか?」


「社長ですか?」    


「社長は今は外に出てて」  


  

「どういったご用件ですの?」 


「えっと…」

「ザスチェジカ‧モールニャ!」



「え?」    


「結愛ちゃん!」

「なんでもないです、なんでも!」




「・・・」     




「なんか聞いたことあるわね…」 



「え?」



「あ!」    


「あの『イモ虫』の!」 



「藤森さ~ん!本当に来たわよ!」


「え?」



「あの『イモ虫』のやつ!」

「本当ですか!」



「どうぞどうぞ^^」    

  

「社長から「来たら連絡するよう」言われてるので」



「ささっ!」      


「中でお待ちになって、皆さん!」 



「あ、はい」




「どうぞ、こちらでお待ちください」


「うちの娘もいますが、お気になさらずに^^」


           「あ!さなちゃんだ!」


「あ!ゆあおねーちゃん!」



「あら?ふたりともお友達なの?」



「さなちゃん、

結愛が転んだ時に声かけてくれたの」


「えらいわねー!さなちゃん!」

「んふふ~^^」



「おじゃましまーす」   



パタンッ

        「藤森さん!」

    「お茶とお茶菓子お出しして!」


「あ、はい」


「私、社長に電話するから!」



「じゃあさなちゃん、

ゆあちゃん達のお相手、

お願いしてもいい?」


「うん!」



「あの人、さなちゃんのお母さん?」

「うん、そだよ~^^」


「さなちゃんのお母さん、キレイだね!」

「んふふ~^^」




「花純さん、なんかすんなりいけましたね…」


 

「うん…」

「わたしもちょっと驚いてる…」



 

「あっ、社長~?」


「あの『イモ虫』の、来ましたよ!」


『本当か!?』



「!?」


「社長、声大きいです!」
「鼓膜が破れるかと思いましたよ!」



「はい、了解です」



「はい、よろしくお願いします^^」



カチャッ




「はい、麦茶どうぞ^^」



「ありがとうございます」



   「社長、今から戻るって!」



「もう少しお待ちくださいね!」


「あ、はい」 



「でも女性が…

3人もいらっしゃるとは思わなかったわ!」

「ですね」



   「じゃあ私、仕事の続きしてきます」



「あ、じゃあ私も」



    「さなちゃん、お願いね~」



「うん!わかった!」





「そして何も聞かれず…」 

「あの人達も、見えるのかな…」




「さなちゃんはお空にうかんでる、

『チャック』見たことある?」


「『ちゃっく』?」



「『まっくろくろ』は見えるけど

『ちゃっく』はしらなーい」


「『まっくろくろ』?」



「うん」


「くろーい『ぽわぽわ』したのが見えるの」



「ふーん」

「それはお姉ちゃん、知らないやぁ」


「そかー」



「でもゆあおねーちゃんも、
見えないの見えるんだ!」

「うん^^」

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