эпизо́д.56-2



「返して欲しければ今日中に



…120円用意してください」

「やすっ!」



とん とん


「結愛ちゃん結愛ちゃん!」


とん とん…


「ん?」


ひそひそ…

「うん、わかったぁ」



「わかりました、


娘さんの声だけお聞かせします」


「ママーーー!!(;ω;)」

「え!?」



「それで受け渡し場所ですが…」



「近くのコンビニの、


チャリティーボックスに入れてください」


「まさかの寄付!?(;・∀・)」



「確認後、こちらからご配送致します」



「お時間のご指定はございますでしょうか」


「そして何故か宅配!」



「2時~4時ですね」



「サイドメニューにナゲットはいかがでしょうか」


「いつの間にかピザのデリバリー…」





「ぷっ 失笑」





「もー響子ぉ、


最初の第一声で私だって分かってたでしょ~」


「ん?」



「もう、
チャリティーボックスですら

ギリだったんだからぁ 笑」



「あ、それでね?結愛ちゃん、

ウチの息子と知り合いみたいで、

ウチに来て私も一緒になって話し込んじゃってさぁ」



「うん」


「だから今日は結愛ちゃん、ウチにお泊まりするから」




「うん」



「大丈夫 笑、ウチの息子、『歳上スキー』だから」


「それに何故か結愛ちゃんに敬語使ってるし」



「あと安心にして任せられる女の人が、2人もいるから」



「うん、はいはーい」



「じゃあまた時間のある時にでも」



「はいはーい」




「じゃあね〜」





きょとん?




「お母さん、

結愛ちゃんのママと


知り合いなの?」


「うん」


「前に勤めてた、会社の同僚 笑」


「すごい偶然、ですね」



「私も番号見てびっくりしたわよぉ」



「でもなんでわざわざスマホ?」



「ん?」



「『いえ電』に番号、登録してあるから」


「結構親密!?(;・∀・)」



「結愛ちゃんが赤ちゃんの頃、

私抱っこした事あるもの」

「ホント!!」


「名前聞いて、直ぐには結びつかなかったんだ 笑」



「『木下結愛』って言われてみれば?…って感じで」



「まさか、響子の娘ちゃんが来るとは


思いもしなかったから



…って」



「あれ?文人は?」



「なんかさっき2階行った」


とん とん


「あ、降りてきた」

とん…



「…フント君、


その怪しい格好はなに?」




「か、格好から入るのも大事か、なと…」


「もうとっくに電話終わったわよ?」



「そ、そんな気も薄々はしており…」

「ってかフツーに他のTシャツあるじゃない!!」



「あ」



「お兄ちゃんっていっつもツメが甘いんだよね」


「ゔっ(; ・`д・´)」


「これはどっちにも似てないのよねぇ」


「フントお兄ちゃん、ダサい」


「ぐっ:(;゙゚’ω゚’):」


とん…



とん…


「逃げた」

とん…



「そしたら文人そのまま着替え持って、

シャワー浴びちゃってくれるぅ?」


「結愛ちゃんのひと言が効いたみたいね」


「ぎょ、御意!でする!」




「それにしても…」




「結愛ちゃん、おっきくなったわねぇ~」


「そして今更 笑」



theSUNreason.

文字を楽しむ 『文楽(ぶんがく)』 日常をそのまま切り取る 『フォトグラファー』 日向理のホームページへようこそ。