эпизо́д.66-1




キャッ キャッ

                        

          ワーーイ!







「で…」







「なんで公園?」





「俺の姉貴、小学校の先生やってるんだ」


「う、うん」



「ここで遊んでる子供たち、みんな、

姉貴の受け持ってるクラスの子で」


くすくすっ


「え!?」



「花純さんへのプレゼント、

子供たちが必要だったから」


「?」


キャッ キャッ

「で」


「はい、これ」



「ん?なに?この棒」



「んで、あそこ」


「え?」



「あ」



「なんか動物みたいな物体がぶら下がってる…」





「花純さんも、こっちに来て」



「う、うん」





「この公園にしたのも、このドームみたいなのがあったからで」


「ガゼボがあるなんて珍しいね、ここ」



「これ『ガゼボ』って言うんだ」





「で、アレは…なに?」



「『ピニャータ』」



「ぴ、ぴにゃーた?」



「中南米の国ではポピュラーなもので」

「子供の誕生日とかで使うものなんだけど」


「誕生日…」



「で、あの『ぴにゃーた』は何をするものなの?」



「中南米では目隠しをするんだけど…」


「今日は『花純さんへのプレゼント』で用意したから」

「え?」



「あん中にね、たっくさんお菓子とかが入ってて」


「うん」



「棒で叩き割って、

飛び散ったお菓子を子供たちが拾う…ってのが、

誕生日のクライマックスなんだって」


「え!?結構バイオレンス!?」


「はは、だよね 笑」



「子供用のはアレよりもっとちっちゃくて、

すぐ割れるように出来てるんだけどね」


「これは大人用っていうか、

ちゃんとチカラ入れないと割れないやつで」


「お菓子もいろんなのがたくさん入ってるみたいで」




「『こんちくしょーー!!』

って気持ち、


これで発散してもらおうって思って」




「あ」



「相手にそれやったら捕まっちゃうでしょ 笑」


「それにカタチのあるものだと、

それ見る度に思い出しちゃうだろうし」


「・・・」



「中身はぜーんぶ子供たちが持ち帰ってくれるからさ」



「みんな、始めるよーーー!!」



          ワーーイ!


やった!

いこいこ!!

わーーい!




「子供たちの掛け声のあと…

思いっきりやっちゃって」



「…うん」


「じゃあみんな、最初に教えた掛け声でいくよ!」


はーい(。>ω<。)ノ



「せえのぉ…


やっつけちゃえーー!ヾ(≧∀≦☆)




「ぬおぉりゃあぁぁー!!」



バシッ!



「はは 笑」



「わたしのぉーー」



ぐすっ

バフッ!



「おもいをーー」



「・・・」



(´;Д;`)

ぐすぐすっ


ボフッ!


「返せーーー!!!」
。・°°・(>_<)・°°・。


バファァ!



でてきた!!



      おかしだぁ!!



            すごーーい!

やった!

             キャンディー!!


おかし!




わいわいガヤガヤ







「ふうぅぅ〜」




「少しは、スッキリした?」



「うん」




「結構、スッキリした、かも 笑」



「よかった^^」


「はい、飲みもん」


「ありがと」



カチッ


クルクル…


ごくごく


シュコッ


「・・・」


ごくごく


「これ、裕太さんのアイデア?」

「ん゛?」


「ふふ 笑」


「俺がこんな、

素敵なアイデア思いつくわけないでしょ 笑」


「敬老の日生まれだよ?俺 笑」


「はは 笑」



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