эпизо́д.66-2




「俺の姉貴の知り合いにね、輸入雑貨屋で働いてる人がいてね」

「うん」


「ピニャータは、そこのオーナーさんのアイデア」



「「へたになんか贈るより、これ叩き割って発散したほうがいい」って」


「ふふ 笑」


ごくごく



「じゃあ子供たちも、その人のアイデア?」


「ううん、そこは俺」



「中にお菓子がいっぱい入ってるって聞いて」

「自分でそれ消費するような歳でもないしさ 笑」


「だからついでに姉貴に、

お菓子の回収役を子供たちお願いしたって感じ、かな」




「裕太さん、もしかしてシスコンとか? 笑」



「んー」



「シスコンとはちょっと違う、かな」


「『話相手』って感じ?」


「『はなしあいて』?」



「親とか友達には言えない、悩み事とかってあるでしょ」


「俺は女じゃないし、姉貴は男じゃないから、

『相談相手』ではないんだけど 笑」


「でもそういう、話を聞いてくれる人が

いるってだけで安心できるっちゅうか」


「勿論余計な詮索はしないし、無理して聞き出したりもしないで」


「ふーん」



「じゃあ裕太さんの優しさは、お姉さん相手に養われてったんだね」



「自分のこと、優しいって思った事はないんだけどね 苦笑」

「でもまぁそういう部分は確かに、姉貴のおかげ、なのかもね」



「・・・」



「裕太さんってさ、ほんと、カッコつけたりはしないんだね」


「カッコつける柄でもないしね 笑」




「『こんちくしょー!』


ってさ」

「ん?」



「相手を悪く思ったり嫌ったりする、ちょっと嫌な感情でしょ」

「うん」



「でも、それで飛び散った気持ちを、子供たちが夢中で拾ってくれて」



「なんて言えばいいんだろ…子供たちのおかげで、

嫌な気持ちが許されたっていうか、あったかい気持ちになったっていうか」




「裕太さん」


「ん?」



「素敵なプレゼント、ありがとう^^」


「よかった」




               「ねぇ、ゆうちゃん」


   「ん?どうした?」



「ゆうちゃん、

そのおねーちゃんのことすきなの?」

「え」


「うん、好きだよ^^」


「・・・」



「じゃあ、ゆうちゃんとおねーちゃん、

けっこんするの?」

「え!?」



「んー、結婚ってね」

「普通の『好き』って気持ちじゃ出来ないんだ」

「そうなんだ!!」


「『好き』ってね、どんどん変身してくんだよ」


「つよくなるの!?」

「うん」



「でもね、

自分ひとりじゃ変身は出来ないんだよ」


「・・・」


「どうやったらへんしんできるの?」


「変身する時ってさ、

『へーんしん!∠( ゚д゚)/』って

ポーズするでしょ?」

「うん、してる!!」



「相手と自分とおんなじ

『へーんしん!∠( ゚д゚)/』ってできたら、

変身できるんだ」



「ふーん」


「ゆうちゃん、おねーちゃんと

『へんしーん』できるといいね!!」


「・・・」


「ふふ 笑」

「そうだね^^」



                「おかし、ありがとーー!」


「ふふ 笑」



「裕太さん、子供の相手するの

上手なんだね」



       「はは 笑」



「一度用事があって学校行った時に、

すっかり子供たちに気に入られちゃって」


「それも姉貴の影響もなのかもね」





「花純さん」



「…なに?」




「俺は花純さんに、

『へーんしん!∠( ゚д゚)/』ってポーズ、

無理強いはしないから」




「惚れた女には幸せになってもらいたい」



「相手が俺でも、俺でなくっても」

「花純さんが幸せで、笑顔でいられれば、

それでいいって思ってる」



「・・・」



「そろそろ行こっか」


「…うん」




「みんな、今日はありがとね!」


 ばいばーい!!


            おかしありがとー!

ありがとー!

             またねー!!


ゆうちゃんばいばい!




ひそひそ…




「またね!」



せぇの



へーーーんしん!!∠( ゚д゚)/




「ふっ 笑」



「まだだっ

「へーーんしん!!」

「へ?」



「ふふ 笑」

「はは… 笑」



ばいばーーーい!ヾ(≧∀≦☆)



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