Episode.6
じーっ
「…すごい」
「今度のは私でも『急展開』って思うわ」
「そんでその、みかちゃんってコの、
専属後ろ姿モデルになるって話…」
「即決したってのもアタシからしたら驚き」
「暢子、仕事早くって助かってるけど…
まさかプライベートもスピーディーだとは思わんかった」
「私、案外物怖じしない性格なんです 笑」
「愛菜ちゃん、パシリルート使わんでもよくなるかもよ?」
「え?」
「ほら、暢子がこうして繋がったんだから、そっちのルート使えば」
「でもわたし、写真って全然分からないし」
「そんなコが暢子さんに付いてって、「どうも~♪」って近づいたら」
「こっちの目的バレバレじゃないですか」
「あ、そっか」
「それに、他の人のチカラに頼らず攻略したいし」
「んじゃあその、みかちゃんってコのライブに通えば?」
「!」
「来月の8日だっけか」
「はい」
「その日は行かずに、別の機会に行けば、暢子ルートってのはバレないし」
「なんかで鉢合わせしても、「ぐうぜ~ん!」ってはしゃげば」
「そのアルバム、愛菜ちゃんにあげるよ」
「え!?」
「でも…」
「私、来月ライブ観に行くし、その時に素敵だなぁって感じたら、
「知り合いへのプレゼント」って言って買えばいいし」
「「買えば」って…
暢子ってホントにモノを愛でないタイプなんだね」
「記念で取っとくって気持ちもないんだ」
「CD持ってるのに聴かないって、可哀想じゃないですか」
「出た 笑」
「確かに記念にはなるとは思うんですけど…」
「小っ恥ずかしい気持ちの方が強いんで」
「だってさ!
…ってもう開けちゃってるし 笑」
「わっ!」
「ホントに『落合健治』って書いてある…」
「健治さんのピアノかぁ…」
「妄想旅行しない!」
「あ」
ˉ̞̭ ( ›◡ु‹ ) ˄̻ ̊
「今日は、あたしの仕事場のほうで過ごすんでしょ?」
「あ、そうだ!」
「こっちからなんか聞くときはあるかもしんないけど、
そっちから聞くのはダメだかんね、仕事の邪魔になるから」
「はい!」
「じゃあ私、お茶淹れますね」
「サンキュー!」
「集中してるときはガン無視するから」
「(>Д<)ゝ”ラジャー!!」
キュイッ ジャー
「あと自分の居場所は確保すること」
キュイッ
カチッ
「居場所?」
「じゃあ向こう行くよ!」
「あ、はい!」
ガチャッ
「すごっ…」
「話しかけられたりはアウトだけど」
「物音とかはアタシ、
全然気にしないでできるから」
「ちいっとばかし片しててもへーき」
「ちいっとばかしって」
「…これ、大掃除レベル」
「あ、別にキレイにしろとは言ってない」
「一度私が掃除しようとしたら、
激しく拒否されたんだよ 笑」
「何がどこにって、分かっててのこの状態だから」
「下手にしまわれたら探すのめんどーだし」
「そっちのローソファらへんは
片してもへーきだから」
「そこで居場所確保して」
「…ローソファんとこでもじゅーぶん」
「ん?なんか言った?」
「いえいえ!何も!」
「お茶淹れたら、そっち持って行きますね」
「ありがとー^^」
「お、おじゃましまーす」
パタン
「くす 笑」
0コメント