Episode.23



「ここ、ですか…」


「そうです^^」




「…結構並んでますね」


「並んで待つ価値あるんですよ?ここ」


「特にオススメなのが

「あっちのお蕎麦屋さんとかにしません?」


「え!?」



「僕、あんまり並ぶの得意じゃないんです 苦笑」


「でも…」


「それに、さっぱりとしたものを今日は食べたいかなぁなんて」



「…ダメですかね」


「いえいえ!駄目じゃないです!」



「…じゃあ、あっちのお店行きましょう^^」


「すんません…」


「いえいえ!」


「何食べたいかも聞かず、

勝手に決めちゃった私のほうも悪いんで」


「…気にしないでください^^」



「あそこも安定感があって、美味しいですよ^^」


「ありがとうございます^^」







ガラガラガラァ…


「いらっしゃいませ~ 何名様ですか?」


「2人です^^」


「あちらの、奥の席どうぞ~」


「ご新規2名様でーす」




ギィー


ギギィー



     「はい、おしぼりとお茶で~す」


「ありがとうございます^^」


   「お決まりになりましたらお声がけくださ~い」



「はい健治さん、メニュー」


「ありがとうございます^^」


「えっと…」


パタン



「くすっ 失笑」


「相変わらず決めるの早いです 笑」


「え?」



「前にも食事、ご一緒した事あったんですよ^^」


「それもど忘れしちゃいました?」



「あ」


「…すみません」




「そっか…」



「…でもまたリセットして始めたと思えば、全然平気です^^」



「すみませーん」


「は~い、ただいま~」


   「はい、お伺いしま~す」


「山菜そばとぉ」


「鴨南蛮を」

   「おそばとおうどん、どちらに」

「おそばで」

      「おそばで」


      かきかき…

    「他にご注文は?」


「大丈夫です^^」


      「では少々お待ちくださ~い」

「はーい^^」



「山菜と鴨南で~す」





しーん…




「あのぉ…」



「あ、はい^^」



「どこで一緒でしたかねぇ、僕たち…」


「あ」



「僕、今まで結構色んなバイトやったんで」



「えっと…」



「あ!」

「もしかしたら渋谷のルーフでバイトしてた時かなぁ…」


「あそこ、フロアも売り場も多かったから」


「そうです、そこですそこです!」



「あん時は結構、色んな人とコミュニケーションとってたんで」

「ごっちゃになっちゃって…ど忘れしちゃってるのかもしれません 苦笑」



「うわー、なんかほんとすんません(;・∀・)」

「いえいえ^^」


「でも謎が解明してよかったぁ~」


「ふふ 笑」




    「はい、お待たせしました~」

   「鴨南蛮そばと山菜そばになりま~す」


「ありがとうございます^^」


 「そちらに七味がございますので、お好みでどうぞ~」


            「ではごゆっくり~」



「いただきまーす」


「いただきます^^」



ずるっずるっ



「あ」



「ん?どうしましたか?」



「あ、いや…」


「フツーに美味しいです、ここ^^」


「よかったぁ~^^」



「鴨南蛮の『鴨』って、殆どがハーフって知ってました?」

「ハーフ?」


「純血の鴨って『マガモ』なんですけど」

「今はほとんど流通してなくって」


「『マガモ』と『アヒル』を交配させた、

『アイガモ』を使ってるところが多いんですよ」


「『アヒル』もカモ科なので、ハーフなんですよ^^」


「へぇ~」



はむはむ…



「今それ聞いてふと思ったんですけど」



「?」



「はい」



「犬はなんで混血種を、『雑種』って言うんでしょうね 笑」

「人だと『ハーフ』に憧れる人、結構いるのに」


「確かに!」



「なんででしょうね…相性とか、ですかねぇ」



「相性…」


「コーヒーとミルクみたいに、混ぜると美味しいものもあれば、

『混ぜるな危険!』っていう薬品っぽいのもあるじゃないですか」



「…って


お蕎麦のびちゃいますよ!」


「食べましょ!」



「そうですね^^」



ずるっずるっ



「早食いせず、ちゃんとゆ~っくり、噛んで食べてくださいね♪」



「あ、はい」





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