Episode.24
「…で」
「確認はできた?」
「うーん…」
「『まだ確認する必要がある』ってのを確認できた、かな」
「?」
「僕、今のお弁当屋さんの前にも、結構色々バイトしてて」
「渋谷のルーフでもバイトしてた時期があったんだけど」
「結構大きなお店だよね」
「そう」
「そん時結構色んな人とお喋りとかしてたから、
ど忘れしてるんだぁって思ったんだ、けどぉ」
「けど?」
「彼女、僕が決めるの早いの、知ってたんだよねぇ」
「あと早食いなのも」
「え?」
「鴨南蛮にしたときに「相変わらず早いんですね、決めるのが」って言われて」
「食べる時も「早食いせずちゃんと噛んで食べてください」って言われちゃって」
「そうなんだ…」
「杉下さんと、社員食堂とかで一緒に食べたり…とかは?」
「休憩時間に色んな人とお喋りはしてたんだけど」
「社食はいっつも、売り場の男性社員さんと2人で食べてたから」
「それにわりと『よそ行きモード』でゆっくりめに食べてたし 笑」
「あとメニューも、AかBのどちらかって感じのやつだったし」
「私の時は、結構早くそのモードじゃなくなったけどね 笑」
「今思うとその段階で既に、暢子さんに対して安心感を抱いてたのかも」
「そうなら嬉しい^^」
「じゃあ親しい人と外で食べたり、飲み会したりとかは?」
「バイトは、『お金稼ぎ!』ってモードでその頃はやってたから」
「『行って仕事して帰って』の繰り返しって感じだったし」
「あと、仕事が一緒だった人の…顔は覚えてるけど、名前は全然覚えてない 笑」
「飲み会は、居酒屋さんとかの、ガヤガヤした音があんまり得意じゃなくって」
「誘われてもいつも断ってたんだ」
「そっか」
「でもそこもなんかド忘れしてて、飲み会に行った事があったとしても」
「食べるのが早いのは、まぁ…じっと僕を観察してれば分かるかもしれないけど 苦笑」
「決めるのが早いってのは…社食や飲み会じゃ分からない情報でしょ」
「そうだね」
「2人とか、少人数で行かないと分からない情報だね」
「飲み会だと食べ物はみんなでシェアするし」
「飲みものだって誰かが「生の人ぉ!」とか、
仲介業者みたいな人がオーダーするでしょ」
「仲介業者みたいな 笑」
「だからね、その綻びがどうやって出来たのか…
確認する必要があるかなぁって」
「そっかぁ」
「お茶、お代わりする?」
「あ、うん」
「ありがとう」
「いいえ^^」
パタンッ
ガサゴソ…
「ルイボスって案外美味しいね」
じょぼぼ…
「『案外』って 笑」
「もっとなんかこう、『アフリカ!』って
感じの味がするのかと思った 笑」
「やっぱり健治さん、不思議な人 笑」
「すみません、よくわかりません」
「お茶あげない」
「…ごめんなさい」
「ぷっ 失笑」
「で次はいつ会うの?」
「具体的にはまだ決まってない」
「それに、僕のほうから会いましょうって連絡すると、
なんか勘違いされそうでしょ」
「んー…まぁ人によって、だけど」
「「また連絡します」って向こうが言ってたから」
「多分、そのうち連絡がくるんじゃないかな」
「そっか」
「変な心配させちゃってごめんね」
「ううん」
「「心配してない」って言ったら嘘になるけど」
「こうしてちゃんと色々話してくれてるから」
「『なーんだぁ、ちゃんちゃん』って終わるといいね^^」
「はは 笑」
「暢子さんのほうは?」
「ん?」
「『高校時代の友達と会う』って話」
「もう日程決まったの?」
「うん、来週の日曜になった」
「書いとこ」
「来週の…にち、よう…ね、オッケー!」
「んで」
「ん?」
「暢子さんって、どんな高校生だったの?^^」
「お互い、過去は詮索しないんじゃなかった? 笑」
「あ、そっか」
「これじゃあルール違反になっちゃうね 苦笑」
「…確認が出来たらさ」
「僕も全部解禁するよ」
「・・・」
「…そしたら私の高校時代も教えてあげるね^^」
「うん」
「お風呂入ってきちゃいなよ、おネムになる前に」
「うん、そうする」
「ポケットの中、ティッシュとか、ちゃんと出して洗濯機に入れてね」
「はーい」
「…ふぅ」
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