5−32
『それよりも理紗さん、
お電話だとあれですし、
直接お会いしてお話、しません?』
「え!?でもどうやって
コンコンッ
びくっ
!?
ピッ
カチャッ
「言いましたよね、
『貴女をよく存じ上げている』って」
「・・・」
「あ!」
「あれ、陽介さんのバッグ、ですよね?」
「お預かりしてもよろしいですか?」
「・・・」
「ありがとうございます」
「あっちにベンチがあったので、そちらでお話しましょう」
「私、革張りのシートって…ちょっと苦手なんです^^」
「・・・」
バタンッ
「・・・」
「あ、それとも砂丘でお話しますか?」
「え…」
「安心してください、陽介さんならもう、
私のほうで保護をしましたので^^」
「!?」
「…他に誰かいるの?」
「ふっ 失笑」
「自分の手札を、
わざわざ自分から晒すような…
馬鹿な女に見えます?私」
「・・・」
「よいしょっと」
「取りあえず座って、
あったかいお茶でもいかがですか?」
「ちょうど陽介さんに持たせた、
水筒がここに入ってるんで」
ガサゴソ…
クルッ クルッ
カチッ
とぽぽぽ…
「はい、どうぞ」
「・・・」
「貴女はここに、『落合健治』という存在を、壊すために来たんですよね?」
「・・・」
「私は貴女の、『その計画を』壊すためにここに来ました」
「・・・」
「お茶のお代わりはあるんで、遠慮なくどうぞ^^」
「・・・」
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