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…ぐすっ








…ぐすっ




コンコンッ


「・・・」




ヴィーーーン




「…なに?」



「隣に座ってもよろしいですか?」




「…革張りは苦手って言ってなかった?」


「あれは嘘です^^」




「・・・」





「どうぞ」



カチャッ


「ありがとうございます」




バタン




「…笑いにでもきたの?」



「いえ」





「健闘を称えに来ました」





「なに?それ」


「そのままの意味です^^」




「ふっ




意味わかんない」





「陽介さんを、



貴女に譲る気は一切ありません」




「・・・」




「…それと」





「理紗さんは、



これしきのことで潰れるようなタマではない


とも思ってます」

!?



「ふっ 失笑」


「そんなこと初めて言われた」



「それはみんな、思ってても言わないだけです」


「ふふっ 笑」


「陽介さんの言う通り、ホント真っ直ぐな人ね」




「今回は相手が悪かっただけです」



「私が負けるとは、


これっぽっちも思ってませんでしたから」




「…そうね」



「悔しいけど…



殆ど言い返せなかった 苦笑」



「理紗さんにはこの、革張りの高級車で颯爽と、


自分の人生を格好よく走って欲しいんです」



「子供みたいに泣きじゃくるのは、理紗さんには似合いません」



「…そう、かもね」




「次にもし相見える時があるとしたら、



お酒でもご一緒出来たらなとも思ってます」



「ふ 失笑」



「貴方って…変な人ね」





「そんな機会、来ないと思うけど…



もしあったら私、ザルだから」


カチャッ

カチッ


「ありがとうございます、

覚悟しときますね」


Burururururu…


「夜の運転、お気をつけください」

バタン




ガチャッ


Burururururuー!




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