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カチャッ



バタン



「ふうぅぅ」


「ノン、おかえりぃ~」


「あれ?運転、翔くんに代わったんだ」


「せっかく完全勝利したのに、

帰りで事故ったらサイアクだろ~?」


「なにわたしが事故る前提なのよ~」


「じゃあ夜の高速走れっか?」

「絶対無理」


「だろ~?」


「長距離トラックに囲まれちゃったりすると、

「もぅごめんなさい!( TДT)」ってなる 笑」




「じゃあ、そろそろ帰ろっか」


「あれ?救出班、

まだ戻って来てないけどいいのか?」



「うん」



「さっき希から連絡あって」


「無事救出できたって」

「ホント!よかったね、ノン!」

「よかったじゃん!」


「うん、ありがとう^^」


「でも希のプラン通り、

救出したのは11年前の陽介さんで…


今は『浦島太郎』みたいな状態になってるんだって」



「『浦島太郎』かぁ」



「だから…私が会うのはまだ早いの」


「そっか」



「ノン、しばらく会えなくなる覚悟もしてきたんだね」


「うん」



「いっぺんに押し付けるのは、自分勝手だと思うし」

「今の陽介さんのペースで回復してくれれば、

陽介さんが、健治さんを見つけてくれると思うんだ」


「でもずっと思い出さないって場合もあんじゃない?」

「バカ!」

どすっ!

「いってぇ!?」




「それは大丈夫だと思う」



「私との思い出は、『杉下理紗さん』のような、

『思い出したくない』ものじゃないから」


「それこそコーヒーじゃないけど、陽介さんの中で、

少しずつ健治さんがブレンドされるんじゃないかなぁって」



「やっぱ強いな、ノンって」



カチッ


「よし、んじゃ行くかぁ~!」


ブルルル…


「翔聞いた?」



「あ゛?」

なにを?」


「希と拓也さん、ヨリ戻したんだって!」

「うっそ!?いつ?」


「行きの車の中で」


「まぢ元サヤエンドじゃん! 笑」



「詳細は道中で話してあげるから 笑」


「行こ!」


カチャッ


「オッケー 笑」


「帰り道の楽しみができた!」



「んじゃレッツゴー!」


「ゴー!^^」×2



ブルルルーッ!






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